1988年2月8日発売
「今、君にキスしたら、多分、君を不幸にするかもしれない」謎めいたセリフを残したままフィアンセの宙太からはナシのツブテ。星子、浮気心がムズムズ!そんな時、宙太から結婚式を挙げたいと電話がきた。ところが、春之介の予知によると、宙太のフィアンセがあとふたりいるという。真相を確かめに、原宿の宙太のマンションに向かう星子に前に、殺人事件の幕が切って落とされようとしていた!
あたし、水島秋。これでも池猫中学探偵同好会の会長よ。『乙女心はハードボイルド』事件なんてのも解決しちゃったことあるのよ。(読んでくれた?)それに、あたしのBF気どりの三崎圭介ってエッチマンと、気まじめ人間の長島くんっていう部下だっているの。そなんあたしに、また調査衣頼!(わーお)桂美穂って美少女が「私を尾行して」だって。いったい、どんな事件が待っているのかしら?
高校に入学したばかりの皐にとって、唯一の友は異性の蒼だった。元来人付き合いの苦手な皐だが、植物を愛する蒼とは入試以来ずっと付き合っている。級友から作家の家住湊のサインを頼まれた皐は、従姉の亮子に連れられて初めて湊の家を訪れた時、部屋いっぱいに大きな水槽が置かれている光景に驚いた。湊は亮子の恋人だったが、皐は湊と話していると、蒼にはない心のやすらぎを感じた。
清水先輩に会えないあたし(南子)は、なんとなく失恋気分。ま、あたしに惚れている遠藤クンがいるからいいか。今度の事件は、見知らぬ男のコから星型ペンダントをもらったのが発端だった。続いて公園での焼身自殺を目撃。遺書には、星のマークが無数に描かれているだけ。星のマーク、何か事件に関係ありそう、と思っていたとき、ペンダントをくれたコが電車に飛び込み自殺。どうなってるの?
「マラソンが好きなら、コーチしてやるよ」「ほんと?それなら、陸上部に入る!」-そんな出会いから、3度目の春。佐知子は緑が丘高陸上部のマネージャー、小沢は400mの選手になっていた。そして、夏のインターハイには出場できたものの、思わぬ誤解からケンカ別れ。でも佐知子は“ぼくたちの最後のレース”をするためにフルマラソンに挑戦することにした。
重の家に、国麿と名乗る男が居候し始めた。この男、霊と対話する事ができて、現世に心残りのある霊が助けを求めている、という。半信半疑だったけど、気の毒な霊のために、重、我生、花紅子、毬林の4人で、協力に乗り出した。BUT、事態は思わぬ方向へ…。悪霊にねらわれる我生。そして我生をめぐる花紅子と重(男なのにィ)の何とも不思議な三角関係大戦争にも終止符の打たれる時が!
乳癌にかかりながら、一切の医療をこばんで、叔母は逝った。その死を受容する姿を見つめるうち、姪の心にあった叔母へのわだかまりが消えてゆく。そして、精神の浄化をおぼえる彼女におとずれたものは。1本の青桐が繁る北陸の旧家での、滅びてゆく肉体と蘇る心の交叉を描く魂のドラマ。芥川賞受賞作品。