1989年9月18日発売
女神がくれた八秒女神がくれた八秒
98対97。フィラデルフィア対レイカースのバスケットの試合は、接戦だった。シュート1発で逆転する。ジムはいま、まさにジャンプ・シュートしようとしている。見つめる満員の観客が、歓声を爆発させようとする一瞬。だが、ジムは…。はじめる若さ、噴き出す清涼な汗、疑い知らぬ感激の涙…。ユーモア・タッチで綴る爽やかスポーツ小説。表題作他12編を収録。
姐姐
輪姦が縁で結ばれた勇と、女子大生桐子は再会した。それが桐子の運命の転機となった。極道の勇を愛し妻となり、女児が誕生。だが勇は鉄包玉となって刑務所送りとなり、二人は愛しながらも離婚した。やがて桐子は、勇の親分だった二階堂爾に強引に犯されその女となった。姐桐子の誕生である。だが、野心家の爾が属する広域暴力団南東連合会は、四代目総長の座をめぐり分裂し、血で血を洗う抗争に突入した。組長夫人たちの誘拐や裏切り、報復と殺人…。一人の男-極道を愛したがゆえに非情の世界に生き、自ら殺人を犯さざるを得なかった女の凄絶な生きざまを、渾身の力で書き下ろした著者初めての長編小説。
暗闇の囁き暗闇の囁き
10年ぶりに烏裂野の別荘を訪れた拓也は、円城寺実也、麻堵の兄弟と知り合うが、彼らの家庭教師遥佳から奇妙な依頼を受けた。“黒髪を切られていた前任者の事故死の真相究明を手伝ってほしい”というのである。異常なほど厳格な躾を実践し、秘密めく円城寺家。二人が父親に知られることを極度に恐れる「あっちゃん」という名の子どもの存在。やがて少年たちの従兄克之が行方不明となり、その母が墜落死を遂げた…。死者の黒髪はなぜ切られていたのか?あっちゃんとは何者なのか?次々と起こる不可解な事件の真相とは?推理文壇注目の俊英が『緋色の囁き』に続き、自信を持って贈る書下ろし傑作。
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