1990年4月16日発売
虞美人草虞美人草
愛されることをのみ要求して愛することを知らず、我執と虚栄にむしばまれ心おごる麗人藤尾の、ついに一切を失って自ら滅びゆくという悲劇的な姿を描く。厳粛な理想主義的精神を強調した長篇小説で、その絢爛たる文体と整然たる劇的構成とが相まって、漱石の文学的地位を決定的にした。明治40年作。
道草道草
『道草』が『猫』執筆前後の漱石の実生活に取材した自伝小説であるとする見方は定説といってよい。だが、実生活の素材がどういう過程で作品化されているかを追究してゆくと、この作品が私小説系統の文学とは全く質を異にしていることが分かる。
倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾 他五篇倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾 他五篇
倫 敦 塔 カーライル博物館 幻影の盾 琴のそら音 一 夜 薤 露 行 趣味の遺伝 解 説……(江藤 淳) 注…………(石 井 和 夫)
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