1990年9月4日発売
剣難女難剣難女難
大正14年、百万の読者を目ざして創刊された「キング」に発表されたこの作品で、従来の筆名に別れを告げ、新たに吉川英治が誕生した。-美男で剣を見るのさえ身体がふるえる春日新九郎が、兄の仇、富田三家随一の名人、鐘巻自斎を相手に戦うまでの数々の辛苦と、剣難女難。
親鸞(三)親鸞(三)
美しい玉日の代りに善信(親鸞)が得たものは、宗門を挙げての非難、迫害であった。それは法然、滋円、親族にも及ぶ糾弾であった。遠流も辞せずー善信の不退転の決意は揺るぐことなく、未曽有の法難に耐えぬく。
治郎吉格子ー名作短篇集(一)治郎吉格子ー名作短篇集(一)
みごとな仕上がりで、思わず息をのませる短編の名品佳作。-江戸を荒しまわった揚句、上方に高飛びしてほとぼりの冷めるのを待っていた鼠小僧。ムズムズしてきた例の手くせと持ち前の義侠心が、女のことから暴発した表題作「治郎吉格子」。-ほかに「増長天王」、「醤油仏」、「八寒道中」、「野槌の百」、「銀河まつり」、「無宿人国記」、「雲霧閻魔帳」の7編を精選して収録する短編名作集。
柳生月影抄ー名作短篇集(二)柳生月影抄ー名作短篇集(二)
様々な素材と趣向とテクニック。著者の才華がほとばしる短編の数々。-柳生流は無刀を兵法の極意とする。しかし宗家但馬守は、現実においては大目付の職権をもって諸大名を糾弾し、彼らの怨嗟を一身に浴びていた。家にあっては4人の子息の父。だが、その放蕩柔弱を嘆く師父でもあった。剣聖の波瀾の心中を描く「柳生月影抄」のほか、「下頭橋由来」、「大谷刑部」、「鬼」など8編を収録。
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