小説むすび | 1993年2月24日発売

いつのまにか生れていた扇千造が、いつ手ひどくぶったたかれ蹴とばされて、どこでどうくたばることになるのか、だれにもわからない。ゆきあたりばったり、扇千造は、どこからともなく体当りしてきそうな人々に、他の誰でもない扇千造らしく応答をし、ふるまっていく他はなさそうなのだ。読者を小説世界の楽屋に招き入れて、対話に誘う〈ゆとり〉の一冊。