1993年8月5日発売
柩の花嫁柩の花嫁
南フランスのシャトーホテルで結婚式を挙げようと旅立った2人を襲う惨劇。ウェディングドレス姿の女が、衆人環視の塔の5階から炎に包まれて落下、続いて起きる密室殺人。持ち主が変死したばかりの古城が、さらなる犠牲者を必要とするのか。リアリティ溢れる人間描写と本格推理の醍醐味が見事に結合。
夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)
歪んだ館が聳え、たえず地が揺れ、20年前に死んだはずの女性の影がすべてを支配する不思議な島「和音島」。真夏に雪が降りつもった朝、島の主の首なし死体が断崖に建つテラスに発見された。だが殺人者の足跡はない。ラストで登場するメルカトル鮎の一言が齎す畏怖と感動。ミステリに新次元を拓く奇蹟の書。
聖アウスラ修道院の惨劇聖アウスラ修道院の惨劇
野尻湖畔に屹立する修道院の塔上に発生した、二つの密室殺人。咲き乱れる満開の桜の枝に、裸で逆さ吊りにされた神父の首なし死体。不可解な暗号文。ヨハネ黙示録に見立てた連続殺人。名探偵・二階堂蘭子が超絶推理の果てに探りあてた、地下迷路の奥深くに埋もれた文書庫。ついに暴かれる禁断の真実とは。
ウロボロスの偽書ウロボロスの偽書
竹本健治の連載ミステリに、ひそかに忍び込む残虐非道な殺人鬼の手記。連載が回を重ねるにつれ、虚構と現実は、妖しくも過激に昏迷の度を深める。竹本健治、綾辻行人、友成純一、新保博久、島田荘司…。ミステリ界を彩る豪華キャストが実名で登場、迷宮譚に花を添える。『匣の中の失楽』と並び賞される傑作。
剣鬼岡田以蔵(獄門編)剣鬼岡田以蔵(獄門編)
勤王攘夷に揺れる幕末京の町で、土佐勤王攘夷派の首領・武市半平太を慕い、勤王の敵であると言われれば何のためらいもなく殺人剣を振い“人斬り以蔵”と怖れられた男。激動する日本の波に揉まれながらも、志士たちとは異質の生涯を終えた暗殺者。人斬りは正義であり天誅だとひたすら信じ、罪悪感も私利私欲もなく四十数人を斬った以蔵の非情な剣が京に舞う。
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