1994年1月31日発売
無法者たちのパラダイス、フリーゾーンへようこそ。ここではドラッグは使い放題、税金はなし、他人に迷惑さえかけなければ何をやってもかまわない。ところが、お調子者のハッカーがタキオン発生機を作ってしまったために時空が大混乱。巨大カタツムリ、未来のロボット、ナチの突撃隊などが入り乱れ、ただでさえハチャメチャなこの街を史上最大最悪の大戦動に巻き込んでしまう…。ファン必読、大爆笑の痛快SFコメディ。
3000年以上を生きてきたハンノはさまざまな偽名を駆使して世界的な企業を経営し、その情報網を使って各地に隠れひそむ不老不死の仲間を集めようとしていた。さらには不老不死の秘密を解明するために研究所を設立する。だが、ハンノの正体に不審をいだいたアメリカの上院議員モリアーティが、ハンノの身元調査を始めていた。新たなる世界を探し求める不老不死の人々の波乱にみちた冒険を、巨匠が雄大に描く傑作、堂々完結。
ケイス国王デュレクの手に落ちたジェイレンは、火刑に処せられる瀬戸ぎわでアサーヤに救いだされた。ところが、混乱のなかで今度はアサーヤが捕らえられ、いずことも知れぬところへ連れ去られて幽閉されてしまったー。それも、密封の呪文で魔力を封じられたまま。一刻も早くアサーヤを捜しだして呪文を解かねば、呪文の影響で彼女は廃人になってしまう。ジェイレンはアサーヤ捜索に全力を注ぐが…。シリーズ第3弾。
地中海で連合軍の反撃が開始された1943年。英国海軍特殊作戦部隊は枢軸国に対する進攻のつねに先鋒にあった。クレスピン少佐のコルベット艦シスル号もまた、ユーゴスラビアのパルチザン支援のためアドリア海に派遣される。この地のドイツ軍は巨艦を擁し、人民を支配していた。クレスピンは、巨艦の出港中に根拠地を攻撃、敵を行動不能に陥れようとするが…。人知れず影の任務に従事する男たちの苦闘を描く海洋冒険小説。
もう何年もまえのことだ。警察を辞め、妻子も捨てて、酒場に入りびたっていた私は、飲み友だちの依頼を引き受けることになった。妻殺しの嫌疑をかけられているので、真犯人を探し出してくれというのだが…。アル中探偵マット・スカダーの回想を通して、大都会の感傷を謳い上げたアメリカ探偵作家クラブ賞受賞の表題作をはじめ、当代随一のストーリーテラーが絶妙な筆さばきでつづる逸品20篇を収録した待望の傑作集第三弾。
困難な医療過誤裁判に勝利をおさめた弁護士のギャルヴィンは、その手腕を買われてボストンの一流法律事務所のパートナーになり、多忙な毎日を送っていた。そんなある日、彼のもとに一人の女性弁護士ティナが訪れてきた。動脈硬化や心臓病の特効薬ライオシンの副作用として先天異常の子供が生まれることが判明し、訴訟を起こしたいという。だが、ライオシンを販売しているアメリカのガーメット社と、製造元のイギリスの会社は共に巨大で、手に負えないので代わって起訴してほしいというのだ。ギャルヴィンはいったんは断わるが、薬害にあったという子供を見て心を動かされ、その依頼を引き受けた。そして法律事務所の幹部たちにこの件を語るが、意外にも却下されてしまう。ガーメット社は事務所の顧客だったのだ。ティナは一人で訴訟を起こした。そしてギャルヴィンは恩師の老弁護士モウ・カッツに、彼女を助けてもらえるよう頼んだ。だが、運命の皮肉か、ギャルヴィンの事務所がガーメット社の弁護をすることになってしまった。心ならずも恩師と対決する羽目に陥ったギャルヴィン。しかも、やがて訴訟の関係者が相次いで不審な死を遂げ、事態は奇怪な様相を呈してきた…。迫力と感動の第一級の法廷サスペンス。
薩長を主軸とした官軍に敗れた幕府軍は、針路を北に向けた。旗艦開陽にて指揮をふるう榎本釜次郎武揚は、土方歳三総指揮による陸軍を掩護。艦隊を箱館に進攻させ、五稜郭を占拠した。知謀・榎本は明治政府を欺くため“開陽座礁”という奇策を講じ、やがて「蝦夷共和国」の独立を宣言。さらにフランス海軍を味方につけることに成功する。榎本は陣容を整え、明治政府に反撃を開始した。めざすは江戸東京。いや、東海道を進撃し、京の制圧だ。蝦夷共和国の運命と、明治政府は…?逆転の幕末戦記シミュレーション。
ドイツ新大海艦隊は台湾海峡から東シナ海へ入ろうとしていた。すでに沖縄は目前にせまっている。超戦艦ニーベルングは異様であった。『ニーベルングの指環』を高らかにひびかせながら驀進してくるのだ。ヒトラーの大逆襲が始まった。大和が米・英連合軍の先鋒としてハンブルクに乗りこみ、ドイツ本土を砲撃し、ナチス・ドイツを危機におとしいれたのだから、日本への憎悪はピークに達している。大和はヨーロッパの海で釘付けになっている。大和ぬきの日本連合艦隊で、祖国は守れるのか?風雲急をつげる日本近海。
アミアンの和約も束の間、再びフランスとの間に戦端が開かれた。予想されたようにスペインも参戦、イギリスは両国を敵にすることになった。変型艦ポリクレスト号艦長J・オーブリーはビスケー湾でのフランス私掠船との戦闘のあと、フランス北部ショウリャー港に突入、死闘を演じたのち砂州に乗り上げたポリクレスト号は沈没する。しかしオーブリーはフランス艦を奪って帰国、彼を待っていたのは宿願の、勅任艦長昇任の報せだった。勇躍、オーブリーは新乗艦ライブリー号を駆って南米から金銀を運ぶスペイン艦隊攻撃に出撃する。
スチュアート・ダイベック、チャールズ・バクスターら、第一線のアメリカ作家二十三人が〈道のまん中のウェディングケーキ〉という一つのテーマをめぐって、それぞれの物語を紡ぎだす-。しなやかな想像力と奔放なユーモアを駆使して創りだされた、遊び心に満ちあふれた物語の数々。