1994年10月21日発売
指揮者・朝倉宗和の要請で、声楽コンクールの会場警備にかりだされた片山刑事とホームズ。コンクールの開始直前に、優勝候補ナンバーワンの井田貴子が何者かに狙われたのだ。何事も起こらなければいいと思いながらしぶしぶ出かけた片山だったが…会場では貴子とライバルの丸山恭子をめぐって次々と事件が発生した。表題作ほか2編の短編に、著者の自伝的エッセイ「三毛猫ホームズの青春ノート」を加えた作品集。大人気、三毛猫シリーズ第17弾。
浅見光彦の遠縁の大学生・緒方聡が女子高生誘拐の嫌疑をかけられた。何でも一目惚れして、のこのこと家まで後をつけていたらしい。あきれる浅見ではあったが、聡の濡れ衣を晴らそうと、行方不明になった浜田文絵の家を訪れる。そこに届けられていた一通の脅迫状。文面には文絵の出生の秘密をばらすといった内容が…。文絵は人気俳優・三神洋と「宝塚」出身の女優・鳥越美春との十七年前の秘めやかな愛の結晶だったのだ。数日後、文絵が遺体で発見された。浅見は悲劇の真相を追って、乙女の都「宝塚」へと向かう。
殺されたフィリピン人教授の未亡人を名乗る女が現れたのは、事件後四か月を経てのことだった。遺品引き渡しを強硬に求めるその女は、実直で亡妻をこよなく愛した教授にはまるでそぐわない。女の狙いははたしてどこにあるのか…。巻きこまれた父親を気づかいながらも軽やかにプロの立場を貫く女探偵ジェリの活躍。故人の足跡を辿るひたむきな探索の旅が面白い、充実の第二弾。
幼い自分が暗い森をさまよっている。四阿が見えてきた。そこでは何かとても恐ろしいことが…何を見たのか話すんだ。怖がることはない、言ってごらん…女医エイミーは、はっと目を覚ました。耳に残る男の声。彼女は最近、毎晩のようにこの夢に苛まれていた。そんなある日、勤務先の総合病院で担当の患者が不審な死を遂げた。しかも彼女は、患者の娘がまったく同じ夢に慄いているのを知る。これはいったい。傑作医学心理サスペンス。