1995年4月25日発売
兄たちの相次ぐ死により二十二歳の頼方は、紀州五十五万五千石の国主徳川吉宗となった。一方、将軍家では、五代綱吉の後を受けた六代・七代将軍がともに短命、財政破綻の危機に陥る幕府はますます混迷の度を深める。紀州か、それとも尾張か、次期将軍の座を賭けた息詰まる抗争の果て、吉宗はついに八代将軍となる。幕府の、そして日本の命運は彼の手に委ねられた。NHK大河ドラマの出版化。
親友のプライドにつきあって、やる気もしないのに野球チームをはじめたオケたち。めざすは市長杯争奪戦。と言っても目的はひとつ。因縁のイーグルスとのラフ・ファイトのみ。ところが、ひょんなことからコーチを頼むハメになったのが謎の老人。このおそるべきジイさんは、なんとオレたちの長年の天敵だった。ジイさんの孫娘マキちゃん、無敵の野球犬トラをチームの一員に加え、ひくにひけないハードな友情の日々が始まった…。
芸能界に続発する事件をマネージャー探偵が名推理。赤面症ゆえ表舞台に立てない朝館吾郎は、「芝山プロ」で元宝塚の大スター、神宮寺園子のマネージャーを務めている。このギョーカイは海千山千の猛者ばかり。だからさまざまな思惑がぶつかりあって、果ては殺人事件へと発展する。朝館吾郎、通称「オッタチ」は園子とのコンビで事件を推理、解決。
中国人マフィアと対決する警視庁刑事。東京都知事室へ、男の声で電話がかかってきた。「東京を火の海にしてやる…」。犯人は何者か。狙いは。その夜、入国管理局の収容所から、不法残留でつかまっていた中国人が集団脱走した。二つの事件を結ぶ意外な真実を知った刑事は、怒りに燃えてー迫力の書き下ろし。
ロシアのキラー衛星を無事破壊して帰還した篠原達に衝撃的にニュースが届いた。ロシアで革命が勃発、軍事政権が樹立され日本に宣戦布告した、というのだ。緊張した状況の中で、日本初の有人スペースプレーン・天翔の第二回フライトを目指し訓練を続ける天翔隊。しかし、ついにロシアはレーザーで根室を攻撃、街は焦土と化した。日本政府は遅ればせながら、天翔に出撃を命じた。
桶狭間に長嶋巨人軍が乱入。精神鍛練の一環として自衛隊の演習に参加した長嶋巨人軍は、突然の地殻変動に襲われ永禄3年(1560)の桶狭間にタイムスリップ。今川義元の首をとった織田信長は、異様な風体をした集団の巨人軍に興味を持ち、尾張領内の居住を許可した。長嶋と信長は、半ば友好関係を保ちながら理球というスポーツを楽しみ、一方で巨人軍の武器戦力を借りつつ、着実に美濃攻略を進めていく。
岬の突端にある「愛の鐘」を鳴らすと、恋が叶うという、西伊豆の名所・恋人岬の駐車場で男の惨殺死体が発見された。殺された宇野原武志は、元愛人で、社長夫人の小牧瑛美を脅迫して金を騙しとろうと企て西伊豆にやってきた。殺害時刻、現場近くに居合わせた三人の男女、保坂真二郎、小牧瑛美、渡部ナオミは大仁警察署の厳しい事情聴取を受けるはめに…。事件解明が進むとともに明らかになる三人の錯綜した愛憎劇。そんな中、古参刑事下村の必死の捜査で犯人像は絞られていく…。