1995年9月4日発売
静かな生活静かな生活
精神の危機を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された3人の兄弟妹の日常。脳に障害を持った長男のイーヨーは、“ある性的事件”に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうかー。『妹』の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアが漂う。大江文学の深い祈り。
親指Pの修業時代(上)親指Pの修業時代(上)
ある夕暮れ、午睡から目覚めると、左足の親指がペニスになっていたー。驚くべき奇想とともに始まる性の遍歴を描いて、発表直後から圧倒的な反響を呼び、90年代の文学に画期的な地平をひらいた第三十三回女流文学賞受賞の名作。
親指Pの修業時代(下)親指Pの修業時代(下)
性の見せ物一座に加わった、親指ペニスを待ち受ける数奇な運命は…。新たなセクシュアリティのあり方をラジカルに問いかけながら、かつてない文学世界をつくりだした、近年、最大の話題作。
さむらいの巣さむらいの巣
宝暦七年、侍・徳山五兵衛が波乱に満ちた六十八歳の生涯を終えた。五兵衛は若い頃、一人の少女への恋慕の念から、土蔵から盗み出した宗〓@59BC@作の笄(こうがい)を贈った。その笄がこれほど数奇な運命をたどろうとは…表題作「さむらいの巣」ほか全7編を収録。味のある短・中編小説、歴史紀行とエッセイ、およびインタビューで構成。歴史ファン、池波ファン待望の一冊。
ボヘミアンガラス・ストリ-ト(第7部)ボヘミアンガラス・ストリ-ト(第7部)
信州追分への旅行以来、なぜか円くんを避けている小雪ちゃん。大上円は、そんな彼女を訪ね、その鬱屈の意外な正体を知る。一方、ホタルは遺産相続問題で家を引き払うことになり、円くんとの“同居”を決意。小雪や伊福部らも加わって、“ユニー・ファミリー”が誕生しようとしていた。しかし、ホタルをつけ狙う敵の脅威はいよいよ間近に迫り、別離の予感が日一日とふくれあがる…大上円はホタルを守りきることができるのだろうか。
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