1996年10月7日発売
夜の走者夜の走者
秋の柔らかな陽光に包まれた兵庫埠頭に、冬木健司は立った。「夜の走者」-この海で不審な死を遂げた親友が遺した言葉。風が、11年ぶりに再会した未奈子の髪を揺らし、遠い日の光景を運んでくる…。
元就、そして女たち元就、そして女たち
五歳で母を、十歳で父を失い、否応なく戦国の荒波に投げ出された幼き日々、妻と二人三脚で歩む壮年期、大合戦を勝ち抜き、覇者となった晩年…梟雄、策謀家と呼ばれる元就を全く新しい視点で捉えなおした意欲作。
剣鬼、疾走す剣鬼、疾走す
「人の斬りようを考えよ」という師・伊藤弥五郎の言葉一途に体で剣を学ぶ小野善鬼。当然、敵も多くなる。今も、彼に殺された飯田勘解由左衛門の門弟たちが待ち伏せている。善鬼は走りながら人数を数えてみた。21人いた。斬る相手を選んでいる暇はない。敵はみな斬り捨てるのだ…。若き頃の自分と同じ激しい太刀節を善鬼にみる弥五郎。その師との葛藤の中で磨く善鬼の剣。
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