1996年2月16日発売
盲獣盲獣
『盲獣』いつにない早起き、ありふれた日常だったはずの朝が始まる。雨に降りこめられた展覧会場で、森厳な空気に相容れぬ雰囲気を醸す人影を見た水木蘭子は、凶事の予感に怖気をふるう。それは魅入られたかのように盲獣の魔手に搦め取られていく自身への哀歌にも似て…『地獄風景』旧家の一人息子が私財を蕩尽した大遊園地ーさながら怪奇のおもちゃ箱ーに集まる、名にし負う猟奇の紳士淑女たち。ひとり、またひとりと増える犠牲者を後目に殺人遊戯はエスカレートしていく。「犯人は誰か、その理由は」と公募された犯人当て懸賞小説。共に竹中英太郎画伯の華麗な挿絵を付す。
月のしずくと、ジャッキーと月のしずくと、ジャッキーと
ひっこみ思案のジャッキーが妖精郷で巨人退治をなしとげ、一年がたった。いまや妖精郷の一部では“心臓”ともいうべき存在だ。彼女の仕事は、妖精たちにとって糧である月からの幸運が、毎日正常に流れているかを確認すること。しかしその異変に気づいたころ、ひとりの妖精の無残な死体が見つかった。現場にはなにやら魔法のにおい。やがて魔の手はジャッキーにも及んだ。が、危ういところでクミンと名乗る男に助けられる。お礼のしるしにと、さっそく男を屋敷に招待してしまうのだが…無邪気なジャッキー、ほんとうにこれでいいの。『ジャッキー、巨人を退治する』の続編。
PREV1NEXT