1996年9月5日発売
雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。突如、発生する殺人事件。そして、「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか。
“アレキサンダー大王の黄金の冠、シーザーの剣、チベットのラマの錫杖を手にした者は、無敵の力を得る”世界制覇の野望に燃えるヒトラーは、錬金術師の残した言葉に導かれて冠を入手、密かに「ラマの錫杖」奪取を命じた…。一方、陸軍スパイ竜造寺大介は、大戦前夜のインドで反英派煽動工作の後、日本民族チベット起源説を唱えて首都ラサに住む老学者斎藤五郎の下に身を寄せた。チベットでは、錫杖を持つダライ・ラマ一四世が幼少なため、列強諸外国の思惑を受けた貴族たちが対立していた。竜造寺はドイツの学術探検隊に出会うが、彼らはやがて不審な動きを見せ始めた!探検隊の正体と謀略とは?そして「錫杖」の行方は?10年の歳月をかけ、歴史の謎を追う白熱の冒険ロマン誕生。
石田三成は秀吉の政治・経済・外交政策の忠実な継承者であり、また豊臣政権の文治派官僚のトップとして、政策立案、遂行に存分の偉才を発揮した。秀吉が目ざした国際化、重農主義と合わせて重商主義、それを実現するために経営感覚・経済感覚のすぐれた武士の登用など…それらの条件を満たした近江出身の石田三成を著者独自の視点で描いた渾身の書き下ろし長編。
クラスを二分する人気者の二人。演劇部の秀才・北山英治と水泳部のエース・南城健介。会話を交わすこともない二人だったが、ある日英治は、自分を見つめる健介の視線を感じる。そして、お互いに自分と同質のものを感じ合った二人は、次第に引きよせられていく。誰も知らない二人の秘密。彼しか知らない自分-。
総力を挙げてレイテ湾突入を計る連合艦隊。その作戦をストップさせた第1戦隊の宇垣中将は、第2艦隊の栗田中将に故山本五十六元連合艦隊司令長官の遺書を見せた。そこには海軍として、この戦争をどう終決させるかというメッセージが記されていた…。この山本五十六の零号作戦にそい、連合艦隊は大決戦を挑むべく全艦出撃した。
基地空母として、零戦の空輸作戦を行っていた巨大空母大和に、バミューダ派遣が命ぜられた。ハワイから喜望峰を回ってバミューダまで、大和の長い航海が始まる。学徒出陣の予備士官も、3人が初めての母艦パイロットとして乗り組んでいた。16000浬の彼方で彼らを待っていたのは、いかなる作戦であったのか。そしてヨーロッパでは、ヒトラーが英本土上陸作戦を敢行しようと準備を進めていた。装甲空母大和は前進基地として、大西洋を東へ西へ駆け巡る。