1997年12月20日発売
元処刑捜査官の北条貴は、国際警察刑事機構の助っ人としてバンコクへ飛んだ。そこのチャイナタウンで、かつては権力者の圧政から中国の民衆を守る互助組織であった三合会が、犯罪組織へと変貌し世界に進出していた。北条に組織から、彼の仲間の耳が送られてきた。明らかな宣戦布告に、貴はすべてを覚悟して、単身、今もっとも不気味な中国マフィアの本部へ乗り込んだ。
ベルリン国境で命を落とした妻への復讐を誓う義弟ジョージがワルシャワで失踪。彼のものと記されたホルマリン漬けの手首が、SIS(イギリス秘密情報局)局員バーナード・サムソンの元に送られてきた。さらに東に置かれた秘密組織「デリウス」が連絡を絶ち、調査に赴いたサムソンの眼前で、リーダーの牧師が爆死する。-冷戦終結に「希望」はあるのか…?最後の本格スパイ・ストーリー「新々三部作」迫真の第二部登場。
菊地昭夫は、自分の軽はずみな発言が招いた不本意な人事を機にある日突然会社をやめた。とくに考えがあったわけではない。するとそこに、お見合いをして断られたはずの女性から、自分の店を手伝ってほしいとの話がもちあがり、昭夫はアンティークショップの店員となる。その上、大恋愛の末に自分を捨てて他の男と結婚したはずの女性がマンションの隣に引っ越してきた。さらには携帯電話を拾ったことがきっかけとなり新しい恋がめばえそうな予感も…。人は人であるかぎり、いくつになっても恋をする…恋をすれば、傷つけられたり、傷ついたりすことも…それでもやっぱり人は誰かを好きにならずにはいられない-。不器用でユーモラス、ちょっぴり切ない究極の大人のラブストーリー。
今年で創刊四十周年を迎えたSF同人誌「宇宙塵」の、既刊一九四冊の中から傑作・佳作を厳選したベストコレクション!2には、『ソリトンの悪魔』で推理作家協会賞を受賞した梅原克文のデビュー作『二重ラセンの悪魔』の幻の中篇バージョンを初めて収録!他に、清水義範「待っている」、梶尾真治「もっともな理由」といった単行本未収録作品や、小松左京「地には平和を」、広瀬正「作品が書けない理由」等の初期傑作を収録。