1998年12月10日発売
感覚的、幻想的イメージ、風刺と暗喩の交錯する詩的文体。時間と空間を否定した特異の作品世界を築き、「桃の園」に描かれる記憶の不明をはじめ、作品の底に澱のように淀む家族の影は現実の不安を描出する。表題作「ピクニック」のほか、「競争者」「窓」「木の箱」「月」「既視の街」「くずれる水」「豚」「鎮静削」「家族アルバム」「あかるい部屋のなかで」の十二篇を収める短篇集。
パナマ運河開削に心血を注いだ、たった一人の日本人・青山士。荒川放水路、信濃川大河津分水自在堰など、数々の河川工事を指揮して暴れ川を治め、日本の土木史に偉大な足跡を残した技師・青山士の進取と苦闘の青春。
私、負けたくなかった。この街、あのビルに-街もビルも人間が作ったものなのに、そこに住む人間を変えてしまうの。全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…。深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界。
謎の重武装軍団が日本海沿岸の原発を狙う。機動隊は殱滅され、住民は一斉に避難。折しも日本海では米原潜の頭上でロシア船が爆発炎上。航行不能となった原潜を挾み「北」と米日韓はまさに一触即発。その時東京で、米国大使館と警視庁に同時爆破テロ。さらに衆参両院に仕掛けられる青酸爆弾…。誰が、一体何のために!?安逸を貪る「虚飾の花・日本」を襲う未曾有の危機。各メディア騒然の問題作。
男にとって理想的な男と女の関係とは?エリート・ビジネスマン仁科哲郎が披露する華麗な恋愛テクニック。パリ、ロス、ハワイを舞台に売れっ子モデル、スチュワーデスと大胆なシーンを展開。
クリスマスイブに突然、「サンタクロース」と名のる人物から夏子のもとに届いた美しい緑色の万年筆。大学受験を控えた夏子が、その万年筆で「サンタクロース」に宛てた22通の手紙によってヴィヴィッドに描かれる多感な夏子の青春。