1998年9月18日発売
揚羽の蝶(上)揚羽の蝶(上)
毒草を用いて娘の貞操を奪う「いが茄子男」を捜すため、半次は岡山松平様の参勤交代の一行に潜りこんだ。ところが出発早々、殿の毒味役が毒殺される事件が起きた。『影帳』から6年、岡っ引半次、待望の再登場。
揚羽の蝶(下)揚羽の蝶(下)
水面下で混迷をきわめる備前岡山松平家の継嗣争い。求むべきは血の濃さか、それとも将軍家とのつながりか。密計の黒い糸を手繰っては翻弄される半次は…。陰謀渦巻く世界を描く、傑作長編捕物帳。
斑鳩王の慟哭斑鳩王の慟哭
博愛主義の政治という理想がはばまれる中で、聖徳太子はしだいに厭世観を募らせていた。一方、強靱な生命力を持つ推古女帝は血の怨念から大王位に固執し、蘇我馬子と組んで太子の疎外を画策する。やがて太子、女帝が逝き、大王位をめぐる確執は、山背大兄王と蝦夷が引継ぐー。上宮王家滅亡を壮大に描く長篇。
弥勒戦争弥勒戦争
超常能力ゆえに、自らに滅びの運命を課す独覚一族。その一人である結城弦は、長老から、人類を第三次世界大戦の危機に陥れようとする、正体不明の独覚の存在を知らされる。ところが、一族の掟に従い、悪しき独覚を除こうとする結城たちの前に姿を現したのは、ブッダ入滅後五十六億七千万年を経て現世に出現し衆生を救うといわれる弥勒だったのだ…。“神”をテーマに描く傑作SF。
時の森殺人事件(1)時の森殺人事件(1)
森と湖に囲まれた不思議な町「時の杜」。外部と隔絶された奇妙な異次元世界の森の奥で、女子高生・一色舞子が殺された。県警本部から現場へと急行した里見譲捜査官がそこで見たものは、スギの巨木に埋め込まれ、カチカチと静かに時を刻む謎の柱時計。死体の直腸温にフェチを感じる病院長の内村英太郎。捜査を露骨に妨害する地元巡査。奇怪な人間模様の中で起こったその殺人は、神をも恐れぬ壮大な陰謀の序章にすぎなかった。
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