1999年10月10日発売
東北地方の山村。動物行動学者・城島の最愛の妻が惨殺された。その無惨な傷跡から、何ものかの野生動物によるものと考えられたが、警察も検死官もその正体を特定できなかった。単独調査に乗り出した城島の結論は、絶滅したはずの「ニホンオオカミ」にいきつく。妻を殺めたものの正体をつきとめるため、また研究者としてその存在を確かめるため、命がけの追跡が始まった。東北の大自然を舞台に描く壮大な冒険小説。
卑劣な罠で新聞社を追われた畝原浩一は、今は私立探偵として一人娘の冴香と暮らしていた。その畝原の許に、就職を餌に女性を食い物にする会社社長梶山の決定的証拠を握って欲しいという依頼が舞い込んだ。だが、囮となった女子大生が殺され、梶山も自殺してしまう。その後、不審な男たちが冴香に触手を伸ばしてきた…。愛する娘を守るため畝原は孤独な闘いを挑む。北の街を舞台に気鋭が描く長篇ハードボイルド。
夏。高校二年になった岸本梢は久しぶりに軽井沢を訪れた。懐かしい思い出のつまったところだ。父が死んで避暑とは無縁の生活になってしまった自分に幼なじみから来た華やかなパーティの招待状。気後れはあったけど、ほのかな期待を抱いて梢はやってきた。隣に住んでいた安理に会えるかもしれないから。だけど、別荘に同級生が集まってパーティが始まると、奇妙なことが次々と起こって…。
中江在は変わり者の父親と二人暮らし。高校入学後ほとんど単身赴任状態の父が在のためにお手伝いさんを雇い入れた。やってきた家政夫・赤羽江東寺はいたれりつくせりで変態でなければ文句なしのお手伝いさん。だが、過剰なスキンシップを図る東寺に在は戸惑いつつも、なぜか本気で拒絶できない。それどころか、過度のスキンシップを淋しさの裏返しと思いこみ、東寺をしあわせにしてやると決意するのだが。
明良は幼いころからまーくんが大好きで、何をするにもあとをついていっていた。大きくなって、呼び方がまーくんから政孝に変わるころ、明良の気持ちも幼なじみのものから変化してきた。だが、その気持ちを政孝に知られて今までの関係をこわしたくない明良は、だんだん政孝をさけるようになった。ところがある日、明良に黙って政孝が引っ越してしまった。ショックを受けた明良は結局、春から政孝と違う高校に通うことに。このまま政孝を忘れることができるのか!?そんな時、同窓会のハガキが舞い込んできて。
相変わらずの変態ぶりを発揮する日沖、本橋と攻防の日々を送る2年目刑事・黒川睦月に異動通達!日沖、本橋、京と一緒に豊田署へ。あまりの処遇に嘆く睦月をさらに落ち込ませるのは潔癖性ながら課長である神田の召使い。崖っぷち人生、睦月の明日はどっちだ!?大人気のハードコメディ、豊田署でリターン。