1999年10月31日発売
「わたしの車を取り返して」ある日同じ会社に勤めるマリアンナがハロルドを訪ねてきた。中古車販売店で下取り車を相場より三千ドルも安く買い叩かれたので、売りつけられた車をつっ返して元の車を取り戻したいというのだ。女に弱い中年男のハロルドは、いいところを見せようと気軽に引き受けた。だが、それがきっかけで次々に起こる思いがけない出来事に、彼はぬきさしならない泥沼にはまりこむ。やがて刑務所入りは確実という事態に追いこまれるが-。MWA、アンソニー両賞の最優秀処女長篇賞の候補となった期待の新人のデビュー作。
オクスフォードのカレッジに招かれ、はるばる大西洋を渡ってやってきた元刑事で大学教授のホーマー・ケリー。だが彼を迎えたのは怪事件の数々だった。構内で目撃された奇怪な生物の影、長年失われていた貴重な標本の再出現、大学名物の絵画の紛失…そして死体が次々と!ネロ・ウルフ賞受賞作『エミリー・ディキンスンは死んだ』に続く教授探偵の名推理。
本書の幕開きは1912年11月、バルカン半島では長く続いたトルコの支配が崩れるきっかけとなる第1次バルカン戦争が勃発し、その結果トルコはヨーロッパの領土の大半を放棄する。イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどの列強は、その空白をにらんで水面下での駆け引きを繰り返していた-巨匠ライアルの久久の新作。激動の歴史を動かした男たちの、謀略と闘いの日々。冒険小説の巨匠が描く、英国情報部草創期の活躍。渾身の新シリーズ開幕。
徳川将軍家八代、吉宗には、政権獲得のための暗い秘密があった。秘密の鍵は、天下三品の名刀の裡に隠されている。名刀を追って、暗闘が展開する。主人公は、素浪人、刀弥平八郎。柳生流の一派、鍋島新陰流の青年剣客である。彼の振るう「まろばしの剣」が、吉宗政権の秘密と暗黒を切り開いてゆく。