1999年10月発売
石岡が遭遇した、岡山県の村での大量連続殺人事件の犠牲者はさらに増え、村は地獄絵の様相に…。村人の言う“村の業”とか“因縁”とは何か?言い知れぬ恐怖が支配する深夜、伝説の男の亡霊が現われた…!?彼による30人殺しとは?現代に甦る昭和史の残忍な悪意とは?御手洗潔の友人・石岡和己が解き明かす五十数年に及ぶ壮大な謎とトリック!傑作巨編。
妻と愛人との三角関係に悩む相良俊造。彼は闇営業のカジノで知り合った男に狂言強盗を頼む。男は相良の家に侵入し、妻をレイプするが、はずみで殺してしまう。やがて男は相良を強請りだしたため、彼は愛人と謀り、男を殺そうと決意する。不倫の深みにはまった二人の完全犯罪に意外な結末が…(表題作)。愛欲に溺れる男と女、性の深遠に迫り、官能(エロス)の極致を活写。
赤石岳山麓でペンションを経営する治宗は、夫婦の破局が因で愛育していた仔猪・ゴンタを山に放った。4年後、突如、南アルプス山中に巨猪が出現。それはかつてのゴンタだという。付近に出没し、荒れ狂う手負いのゴンタ。人生に傷ついた治宗は、山狩りからゴンタを救出することに自らの再生を賭けるが…。人間の心に潜む哀しみと、動物への限りない愛を描く巨編。
「おもろいうえに、儲けに繋がるアルバイトです」。大阪の自転車工場主・安川浩一に囁かれた甘い言葉は、強ノ原たち暴力団が仕組んだ罠だった!金、会社、家族…すべてを失う安川の味方は、弁護士資格を持たない男・大淀鉄平だけだ。鉄平と強ノ原の、法の盲点を衝く頭脳戦…そして殺人が!?逆転また逆転。現代的な犯罪を描く、著者会心の傑作長編。
東阪広告第2SP局部長・舘脇一輝は、社長・種田誠に、労働組合委員長・黒川武雄の懐柔を頼まれた。リストラを推し進めんとする種田に対し、黒川がそれに強硬に反対しているのだ。渋々その依頼を引き受ける舘脇だったが、黒川の裏には、さらに大きな黒い野望が蠢いていた…。現在の企業と人間を描破!「窓際の狼」シリーズ第3弾、文庫書下ろしで登場。
ハリウッドの街に住むおしゃれな少女、ウィーツィ・バット。ハイスクールでいちばんカッコいい男の子、ダークとつきあい始めるも、彼はじぶんがゲイだと告白する。そんなのかまわないよ、じゃ、いっしょにオトコをゲットしにいこう、とウィーツィ。かくしてふたりの“理想の恋人”さがしが始まるが、どいつもこいつもろくでなしばかり。ある日、ウィーツィはひょんなことから“ランプの精”と出会い、願いを3つだけかなえてもらえることに…。
写真とテクストの結合により、アイデンティティにつきまとう“謎”を追いつづける女性「作家」、ソフィ・カル。ポール・オースターやエルヴェ・ギベールに連なる新しい「物語」3篇(『ヴェネツィア組曲』『尾行』『本当の話』)と、ジャン・ボードリヤールによるソフィ論を収録。
米穀卸商の坂本義人が水死体で発見された。彼が死の直前に電話をしていた相手は、浅見光彦の母・雪江だった。嫌疑をかけられかねない状況の中、今度は浅見家が購入した高級米の袋から、大量の穀象虫が…。浅見は母に命じられ、調査に乗り出す。一方、長野県では巨額の米横流し事件が発覚、坂本事件との関連を重視した県警は“信濃のコロンボ”竹村警部に捜査を要請する。だが、二つの事件の容疑者・阿部隆三も失踪を遂げ、真相は混迷を極めていくー。二人の名探偵が、米市場を巡る巨大な闇に挑む!著者渾身の長編社会派推理。
殺人。不正。容疑者の失踪ー。浅見光彦は、事件の背後に見え隠れするヤミ米市場の実態を追って、新潟そして山形県酒田市へ。だが、事件の重要な鍵を握る遠藤という老人が殺害され、竹村警部が捜査を続ける長野県でも新たな犠牲者が…。二大名探偵の行く先々で立ちはだかる食管制度の光と影。基幹農作物を巡る巨大な利権の正体とは?そして、日本の社会システムの根幹を揺るがす事件の結末は?「米神話」の崩壊を予見し、日本人の文化、生き方までを深く問うた内田文学の金字塔。
夏休み。鶴ケ丘中学は教師たちが退屈しのぎに行った百物語のために幽霊や妖怪の巣窟と化してしまう。おばけをも恐れず宿直を続けるルーアンの元へ、夕食を届けに行ったシャオ。そんなシャオを迎えに、太助はひとり夜の校舎へと足を踏み入れたその時、何者かの悲鳴が…!?暑い夏をひやりとさせる、オリジナル小説第7弾。
クロードやレナたち、スターオーシャンセカンドストーリーのキャラが短編集で大活躍!本編のストーリーとは別の魅力が満載のプライベートストーリー8編を収録。
感受性の鋭い、内気な少年ニコラ。スキー教室参加をきっかけに、予期せぬドラマが次々と展開する。謎、怪奇、犯罪…少年の白昼夢はリアルで、読者は夢想の世界だけであってほしいと願うのだが…。少年特有の心象風景と避けられない人生の悲劇を、抑制のきいた文体で鮮烈に描いた傑作。仏・フェミナ賞受賞のベストセラー。映画化。
深夜の林道を全裸で徘徊する少女。誘惑されたトラック運転手が少女を陵辱しようとしたとき、森を震わす爆発音が響いた。彼女は人間爆弾だったのだ!この事件に国家規模の犯罪の気配を感じた総理直属のSP・鷲津勇人が捜査にのりだす。荒鷲の異名を持つ彼は、総理の生命を狙う危険な敵を事前に排除する、攻撃型のSPだ。世界的犯罪組織の陰謀が密かに張り巡らされているなか、沖縄サミットの開幕が迫る。荒鷲は各国の要人たちを少女爆弾の魔手から護ることができるか!?ニューヒーロー・荒鷲と極悪犯罪組織との攻防を快調なテンポで描く超絶活劇小説、カッパ・ノベルス初登場。
中学校のカウンセラー・棟谷志保子あてに、“大石和哉を知っているか?”という謎のメッセージ。発信人は、死んだはずの女生徒・新庄朋恵。大石は志保子の婚約者だったが、生徒に刺殺された。やがて、文化祭に出品する立体モザイク『隧道の中の悪魔』の傍に、“新庄朋恵は私が殺した”という遺書を持つ大河原杏子の死体が…。モザイクに描かれていた五個の人面図が、奇妙なことに四個に…。死体が発見された体育館は、完全な密室状態。志保子を襲う三人の男子生徒。MGの小部屋とは?消えた人面の謎が解き明かされたとき、戦慄の事実が…。奇想天外、新機軸の密室ミステリー傑作長編。
ヴァイオラは幼時に母を失い再婚した父も三年後に亡くなった。気の強い継母は婦人参政権獲得の運動に熱中し、ヴァイオラを虐待しているが活動には都合よく利用しようとした。ある時、外交次官のレイバーン邸に爆弾を仕かけるよう命じられたヴァイオラは絶望のあまり、爆発と共に自殺を図る。だが、レイバーンに間一髪で救われ事情を知った彼は放免してくれた。失敗に激怒した継母は、ヴァイオラをデモに連れだし、警官に突きとばす。殉教者気どりのデモ隊と一緒に留置場から即決裁判に連行されたヴァイオラは再び、レイバーンに出会った…。半世紀を越えて読みつがれてきたロマンス界の女王の作品の中から、傑作ばかりを集めた日本独自の新シリーズ。豪華絢爛、清純なヒストリカル・ロマンス。