1999年10月発売
米穀卸商の坂本義人が水死体で発見された。彼が死の直前に電話をしていた相手は、浅見光彦の母・雪江だった。嫌疑をかけられかねない状況の中、今度は浅見家が購入した高級米の袋から、大量の穀象虫が…。浅見は母に命じられ、調査に乗り出す。一方、長野県では巨額の米横流し事件が発覚、坂本事件との関連を重視した県警は“信濃のコロンボ”竹村警部に捜査を要請する。だが、二つの事件の容疑者・阿部隆三も失踪を遂げ、真相は混迷を極めていくー。二人の名探偵が、米市場を巡る巨大な闇に挑む!著者渾身の長編社会派推理。
殺人。不正。容疑者の失踪ー。浅見光彦は、事件の背後に見え隠れするヤミ米市場の実態を追って、新潟そして山形県酒田市へ。だが、事件の重要な鍵を握る遠藤という老人が殺害され、竹村警部が捜査を続ける長野県でも新たな犠牲者が…。二大名探偵の行く先々で立ちはだかる食管制度の光と影。基幹農作物を巡る巨大な利権の正体とは?そして、日本の社会システムの根幹を揺るがす事件の結末は?「米神話」の崩壊を予見し、日本人の文化、生き方までを深く問うた内田文学の金字塔。
12分の1のドールハウスで行われた小さな殺人。そこに秘められたメッセージの意味とは!?天国的美貌を持つミステリー界の人気作家「覆面作家」こと新妻千秋さんが、若手編集者、岡部良介とともに、残された言葉の謎に挑む表題作をはじめ、名コンビが難事件を解き明かす全3篇を収録。作家に探偵、おまけに大富豪のご令嬢と、様々な魅力を持つお嬢様探偵、千秋さんの名推理が冴えわたる“覆面作家”シリーズ第3弾。
夏休み。鶴ケ丘中学は教師たちが退屈しのぎに行った百物語のために幽霊や妖怪の巣窟と化してしまう。おばけをも恐れず宿直を続けるルーアンの元へ、夕食を届けに行ったシャオ。そんなシャオを迎えに、太助はひとり夜の校舎へと足を踏み入れたその時、何者かの悲鳴が…!?暑い夏をひやりとさせる、オリジナル小説第7弾。
クロードやレナたち、スターオーシャンセカンドストーリーのキャラが短編集で大活躍!本編のストーリーとは別の魅力が満載のプライベートストーリー8編を収録。
感受性の鋭い、内気な少年ニコラ。スキー教室参加をきっかけに、予期せぬドラマが次々と展開する。謎、怪奇、犯罪…少年の白昼夢はリアルで、読者は夢想の世界だけであってほしいと願うのだが…。少年特有の心象風景と避けられない人生の悲劇を、抑制のきいた文体で鮮烈に描いた傑作。仏・フェミナ賞受賞のベストセラー。映画化。
中学校のカウンセラー・棟谷志保子あてに、“大石和哉を知っているか?”という謎のメッセージ。発信人は、死んだはずの女生徒・新庄朋恵。大石は志保子の婚約者だったが、生徒に刺殺された。やがて、文化祭に出品する立体モザイク『隧道の中の悪魔』の傍に、“新庄朋恵は私が殺した”という遺書を持つ大河原杏子の死体が…。モザイクに描かれていた五個の人面図が、奇妙なことに四個に…。死体が発見された体育館は、完全な密室状態。志保子を襲う三人の男子生徒。MGの小部屋とは?消えた人面の謎が解き明かされたとき、戦慄の事実が…。奇想天外、新機軸の密室ミステリー傑作長編。
ヴァイオラは幼時に母を失い再婚した父も三年後に亡くなった。気の強い継母は婦人参政権獲得の運動に熱中し、ヴァイオラを虐待しているが活動には都合よく利用しようとした。ある時、外交次官のレイバーン邸に爆弾を仕かけるよう命じられたヴァイオラは絶望のあまり、爆発と共に自殺を図る。だが、レイバーンに間一髪で救われ事情を知った彼は放免してくれた。失敗に激怒した継母は、ヴァイオラをデモに連れだし、警官に突きとばす。殉教者気どりのデモ隊と一緒に留置場から即決裁判に連行されたヴァイオラは再び、レイバーンに出会った…。半世紀を越えて読みつがれてきたロマンス界の女王の作品の中から、傑作ばかりを集めた日本独自の新シリーズ。豪華絢爛、清純なヒストリカル・ロマンス。
音楽とバイクだけが生きがいの高校生・マサト(辺土名一茶)が、偶然通りかかったレンタルレコード店『マジックランタン』。そこで出会った、貴重なレコードの山と、息をのむほどの美少女・美希(上原多香子)。音楽、友情、恋…短い夏を眩しいくらいのスピードで駆け抜けた若者たちの“青春サクセスラブストーリー”。
中国残留日本人孤児の娘が、まだ見ぬ祖母をさがしに日本へやってきた。手がかりは、祖父の形見の胡弓と母に教わった踊りのしぐさ。はたして二人は出会うことができるのかー。中国と日本を結ぶ、愛の叙情ロマン。
戦艦長門と陸奥、ガ島に向けて出撃!!金剛、比叡の戦艦による史上初の飛行場艦砲爆撃にもかかわらず、ヘンダーソン飛行場は日に日に拡大されていた。日米の工業力の差が、ここにも現れていたのだ。ソロモン諸島唯一の飛行場を持つガ島を巡る攻防は、日増しに激しさを加えていった。山本五十六長官は、何としてもガ島奪回をはかるべく、まず重巡鳥海を旗艦とする第八艦隊に再度の飛行場砲爆を命じる。さらに、戦艦長門と陸奥率いる制圧攻撃隊が、ガ島に向け勇躍出撃するが、目指すシーラーク海峡は大型船舶の航行を阻む浅深度の海域だった。