2000年5月31日発売
拉致された世界的な脳外科医はどこへ、そして何のために?巨大国家アメリカの深部で暗躍する国立人間資源研究所の極秘プロジェクトとは?自らの正体を明らかにした冒険小説界の巨匠、クィネルが放つ超ハード・アクション巨編、待望の刊行。
秀吉も、明智光秀も、森蘭丸も…誰もがみんな、信長の首を愛してた。リセットを繰り返しても繰り返しても、あっと言う間に斬り落とされる信長の首。それは誰もが信長の首を愛してたから…。シュールでエロティックな快作「首の信長」をはじめ、日本史の沃野を縦横に駆けめぐる驚天動地の連作集。
別れて10年たっても陽介を想う綾。司法浪人生の歌義を捨て別の男の婚約指輪を受けたまり恵。中学の同級生だった4人の心模様をめぐるように、古都京都のさまざまな風物を彩りに展開する事件の数々。甘酸っぱくもひたむきな恋の行方と、青春からの飛翔!ちょっとミステリなせつない青春小説。
老女は胸を撃たれ、アパートの部屋に横たわっていた。そばには安ウィスキーの瓶が…現場に急行したキャレラたちは、被害者の意外な素顔に驚いた。その老女は、かつては絶大な名声と人気を誇ったピアニスト、スヴェトラーナ・ディアロヴィッチだったのだ。隣人の証言によれば、引退したスヴェトラーナは酒びたりの孤独な生活を送っていたという。わずかな金を狙った強盗の犯行か?が、やがてスヴェトラーナが大金を孫娘に遺していた事実が判明し、その金をめぐる熾烈な争奪戦が!87分署シリーズ最新刊。
ナノテクとセラピーが実現した人類の疑似ユートピアは早くも崩壊の兆しを見せていた。受療前の不安定状態に逆行する“退行患者”が続出、自殺者数も急増を始めたのだ。そのような状況下で、バーチャルな性的産業を牛耳る大資本家が不審な死をとげた。公安局の捜査線上にはやがて、死体と半死者を冷凍保存する巨大な霊廟オムパロスと、その運営にあたる謎の集団アリストス会の暗躍が判明するが、はたしてその真の目的は。
自意識をもつ唯一の量子論理思考体ジルに接触してきた、まったく異質の様式をもつ思考体、ロディとは何者か?バーチャル空間に潜行中のネット娼婦アリスを瀕死に追いこんだ投影体の正体は?退行患者を続出させた病原体蔓延の元凶は?錯綜するすべての謎はやがて霊廟オムパロスに収束する。霊廟内部に侵入した捜査官たちの前に現われた、想像を絶する存在とは…ハードSFの巨匠が新世紀へ向けて放つ、超弩級巨篇。
夜間は外出禁止となる内戦下のサラエボ。ある夜、殺人課のブラド警部は帰宅途中に特殊警察本部長の射殺死体を発見した。事件の担当を命じられたブラドは、本部長が闇マーケットに関係していたという証言を得る。やがて、彼の扱っていたものが莫大な金を生みだすことを突きとめたとき、ブラドを裏切りの罠が!瓦礫の街サラエボの暗部をリアルに描いた、話題沸騰の警察小説。英国推理作家協会賞最優秀処女長篇賞受賞作。
署長室の壁一面を覆う、切断された女性の死体の写真。新人の女性警官パーマーは、惨殺事件の指揮を執る警察署長エドワーズの特異な捜査方法に心を奪われた。二人は現場の遺留品を鍵に捜査を進めるが、未公表の遺留品の存在を知る男が現われたため、事件の謎は急速に深まっていく…小さな町の複雑な人間関係が、戦慄の結末へ収斂していく出色のサスペンス。
運び屋のアリーにとって今度の仕事も楽な稼ぎのはずだった。が、アリーが取引場所に行くと、相手の男が射殺体となって転がっていた。さらに二人組の男からディスクを渡せと脅される。彼女は男を撃って逃走するが、いつのまにかポケットに謎のディスクが。やがてアリーは、自分が元CIAの高官を殺した容疑で指名手配中と知るが…銃の達人で凄腕の運び屋アリーが縦横無尽に疾駆する!ハードでスリリングな新シリーズ。
十カ月前、暖かな陽射しが降り注ぎ、木の枝には新芽が膨らみはじめていた春の日、妹のフラニーは、自宅アパートで死体となって発見された。暴行を受け、ダクトテープで口をふさがれ、むきだしの足首と手首を縛られて…妹のコンピューターに残された不完全な日記を読んだ私は、彼女を死に追いやったのは音楽教授マイケル・Mだと確信する。その類い稀な魅力でフラニーを虜にしたMは、性的奴隷と化した彼女にあらゆる行為を強いていたらしい。妹はMにどんなことをされたのか?その行為がエスカレートして、死に結びついたのか?日記に書かれていない空白の日々に、いったい何が起きたのだろう?押し寄せる疑問に答えを見出すべく、私は自分を餌に、Mに接近する。それが、私自身を、いままで知る術もなかった世界へと誘うことになるとは想像もせずに。恐怖、屈辱、服従の果てに待つ官能の世界。そしてその先は?過激な描写がモラルを破壊し尽くす、衝撃の問題作。
舞台はアフリカの架空の地方。そこには、選ばれた老人が少女にキスするという儀式があった。ところが、あろうことか、キスを受けた少女バノス・マヤが老人オスカル・アナに恋してしまう。すると、神々はその不埒なキスに怒り、自然を通して怒りを表明しはじめる。天変地異が次々と起こり、奇怪な出来事が続く。天に穴があいて、空が落ちそうになってくる。村人は、二人を結婚させて、神々の怒りを鎮めようとするが、オスカル・アナは理屈をつけて応じない。ますます天は荒れ狂い、地は揺れ動く。さて、この荒唐無稽なドタバタ騒ぎの顛末は…。人間の愚かさへの怒り、絶望、祈りを特異な文体で爆発させた、現代ブラックアフリカ小説の挑戦的文学形式。