2000年8月20日発売
五年の梅五年の梅
藩主への諫言を胸に、男は許嫁に別れを告げた。女は失意のうちに、違う男の許へ嫁いだ。そして五年の時が流れ、自分の短慮を振り返る男。ついに男のことを忘れられなかった女。うららかな春の日に再会した二人は…。深い人間洞察と温かな視線に満ちた表題作など全五篇を収めた傑作短篇集。
ハイエナの匂いハイエナの匂い
シンクタンクを経営する椎名に、プロ野球球団社長・西村から調査依頼が入った。極秘の球団売却交渉中、中堅不動産会社が政治家を使って強引に割り込んできたのだ。調査をするにつれ、球団買収の意図の不可解さの裏に、巨大な利権が渦巻くさまを見る椎名。そして、ある都銀関与の事実を掴んだ直後、西村が謎の死を遂げた!「椎名達郎」シリーズ第1弾。
黒殺(ヘイサ)黒殺(ヘイサ)
元総会屋の武藤修治は、昔、面倒を見てやったことのある台湾人・曹東雲と組んで、ある男を誘拐した。成功すれば、五千万円の報酬ー。割のいい仕事だ。ところが、突然、正体不明の男たちの襲撃を受け、肝心の獲物が奪い去られてしまった。東京に戻り敵を探しはじめた武藤と曹だったが、逆にその周囲で不気味な影が蠢きはじめる。果たしてその正体はー。
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