2002年10月16日発売
雁雁
生まれてすぐに母を亡くし、貧困の中で父親に育てられたお玉は、高利貸末造の妾となり、上野不忍池にほど近い無縁坂にひっそりと住んでいる。やがて、散歩の道すがら家の前を通る医学生岡田と会釈を交すようになり…。鴎外の哀感溢れる中篇。
山椒大夫・高瀬舟 他四篇山椒大夫・高瀬舟 他四篇
山 椒 大 夫 魚 玄 機 じいさんばあさん 最 後 の 一 句 高 瀬 舟 高瀬舟縁起 寒 山 拾 得 寒山拾得縁起 解 説(斎藤茂吉) 森鷗外略年譜 注
蒲団・一兵卒蒲団・一兵卒
家庭があり知識も分別もある、世間に名を知られた中年の作家の女弟子への恋情ー花袋は、主人公の内面を赤裸々に暴き立て、作者自身の懺悔録として文壇に大きな衝撃を与えた、日本自然主義文学の代表作。日露戦争の最中ひっそりと死んでゆく哀れな一兵卒を描いて読む者の胸をうつ小品「一兵卒」を併収。
破戒破戒
新しい思想を持ち、人間主義の教育によって不合理な社会を変えて行こうとする被差別部落出身の小学校教師瀬川丑松は、ついに父の戒めを破って自らの出自を告白する。丑松の烈しい苦悩を通して、藤村は四民平等は名目だけの明治文明に鋭く迫る。
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