2002年12月6日発売
内気な拾得者内気な拾得者
「あのう、ホテルであなたの免許証を拾った者ですけど…」会社のデスクにかかってきた見知らぬ女性からの電話。謝礼はいらない、できれば顔をあわさずに返したいという奇妙な申し出の顛末は…表題作など、読者から送られた小さな新聞記事をヒントに作られた都会派ミステリー9篇。人気シリーズ第2弾。
明治の武人宰相 桂太郎の人生 山河ありき明治の武人宰相 桂太郎の人生 山河ありき
軍人としては陸軍大将、政治家としては実に三度も首相の座についた桂太郎。激動の明治時代を生きたこの武人宰相は妥協と忍従の姿勢の陰で、癌研究会、日本赤十字社、そして拓殖大学の創立に尽力、「新生日本」のための布石を次々に打っていたー。「ニコポン首相」と呼ばれた男の知られざる豪胆さを描く。
MM
35歳になった男は義理の妹の媚態が頭から離れない。若い母親は仕組まれた売春の罠に堕ち、青年はSMクラブに足繁く通うようになる…。些細なきっかけで異常な性の世界にはまった者たちが、苦悩と快楽、そして絶望の果てに見るものは?日常に潜む背徳の姿を残酷なまでに描ききった異色作品を4編収録。
体は全部知っている体は全部知っている
「アロエが、切らないで、って言ってるの。」ひとり暮らしだった祖母は死の直前、そう言った。植物の生命と交感しあう優しさの持ち主だった祖母から「私」が受け継いだ力を描く「みどりのゆび」など。日常に慣れることで忘れていた、ささやかだけれど、とても大切な感情ー心と体、風景までもがひとつになって癒される13篇を収録。
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