2002年2月8日発売
明治維新とともに出発した新しい政府は、内外に深刻な問題を抱え絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発した。西郷隆盛が主唱した「征韓論」は、国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく。征韓論から、西南戦争の結末まで新生日本を根底からゆさぶった、激動の時代を描く長篇小説全十冊。
西郷隆盛と大久保利通ーともに薩摩に生をうけ、維新の立役者となり、そして今や新政府の領袖である二人は、年来の友誼を捨て、征韓論をめぐり、鋭く対立した。西郷=征韓論派、大久保=反征韓論派の激突は、政府を崩壊させ、日本中を大混乱におとしいれた。事態の収拾を誤ることがあれば、この国は一気に滅ぶであろう…。
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
舞台は17世紀イタリア、トスカーナの小都市。思わぬことで殺人犯となったジャコモは、斬首刑に処せられる直前、面会に来た若妻エレナの鼻を食いちぎった!遺された妻が送ったその後の人生とは?地中海に面した町で繰り広げられる、この上もなく美しくグロテスクで恐ろしい物語。
自らの全知力と肉体を振り絞って作り上げた完璧なコカイン密輸のシステムー悪のヒーロー・朝倉恭介の完全犯罪が、ついに白日の下に…。追う警察、暗殺を企てるCIA、そして訪れた川瀬雅彦との決闘。はたして恭介は逃げ切ることができるのか?『Cの福音』で颯爽と登場した優雅なる野獣・恭介。闇に生きる者は闇に消えるー待ち受けるのは生か死か?6連作シリーズの掉尾を飾る雄篇の文庫化。
『フォーチュン・クエスト』『デュアン・サーク』に続く、もうひとつの冒険譚ー。深沢美潮が贈る最新ファンタジー・ワールド。
永遠のコンプレックスと思っていたものが、実は究極のリーサル・ウエポン『フルメタン・ジャケット』と知った草加平太郎は激変する。凶悪犯罪対策室長(列島保安官)に就任を依頼され、それを快諾した草加は、自らをガスコップと卑下しつつも、独自の武器をズボンの奥に秘め、犯罪界と対決するべく出動する。彼を襲いくる難事件、凶悪事件の数々。悩み傷つき震えながらも、草加は犯罪界を粉砕すべく単身突入して行く。だが、彼の前にはあまりにも巨大な悪が待ち受けていた。暗い世相を吹き飛ばすべく、桑原譲太郎がしたたかに撃ち放つ、小説史上空前のクライム・ファンタジー。