2002年5月15日発売
天才ピアニスト・高田恭二は、師であり愛人でもあった、深野須美子を捨て、若い恋人と駆け落ちした。須美子は恭二への恨みを綴った遺書を残して自殺した。須美子の呪詛に怯え、東京から逃れた二人は、雪深い温泉地で三姉妹と出会った。須美子の「呪い」は、三姉妹をも巻き込んでいく。殺人と怪異、果たしてその真相は。
山神大地は、陸上部の部室で結ばれた同級生・淳子とふたたび愛を交わす。新任の川上先生には進路指導室やマンションの浴室で“指導”を受ける。レコード店の若奥様の幸子とは倉庫で抱き合い、別のクラスの雪乃にはやさしく接するー「週刊現代」で大好評の官能巨編・シリーズ第6弾。
前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。同性同士の愛の極北を描く、山本周五郎賞受賞作家による傑作長篇。
紅花問屋“佐渡屋”の手代・富蔵が盗賊の一味として処刑された。決め手となったのは、手引きをした女中・お里の自供。そんな折り、富蔵と肩を並べていた卯之助が一の手代に抜擢され、お里は喜びを同囚に語ったというのだ…。怨んだ相手の足を引っぱり、秘かに誅伐を加えてくれるという〈足引き寺〉の住職・宗徳ら四人と一匹の仕事師が事の真相に迫る。表題作他、大好評の足引き寺閻魔帳シリーズ第二弾。
1802年、王妃マリア・ルイーサと権勢を張り合うスペイン第一の貴族アルバ公爵夫人カイエターナは、宴を開いたその夜、謎に満ちた死を遂げる。自殺なのか、あるいは、愛人関係にあった青年宰相ゴドイ、その愛人ペピータ、クーデターを企む皇太子、宮廷画家ゴヤら客の誰かが毒を盛ったのか?そしてさらに、その背後にはもう一つの謎が隠されていた。ゴヤだけが知る、名画「裸のマハ」をめぐる秘密が…。