2003年1月24日発売
伊賀忍法帖伊賀忍法帖
戦国の梟雄・松永弾正は、主君三好家の美姫・右京太夫に邪恋を抱いた。そして己が欲望を成就せんと、幻術師・果心居士配下の根来僧七人に催淫剤を作るための美女狩りを命じた。淫石と呼ばれるこの媚薬を口にした女人は、男に対して本心を失い、一匹の淫獣と化すという。犠牲となったのは伊賀忍者・笛吹城太郎の妻・篝火であった。操を守って自決したものの、死んだ体を根来僧に犯され、さらに弾正の妾と首だけすげ替えられた。慟哭し、半狂乱の城太郎は怒りを胸に復讐を誓うが…。伊賀忍法と根来忍法の血みどろの戦いを描く、風太郎忍法帖の代表作。
症例A症例A
精神科医の榊は美貌の十七歳の少女・亜左美を患者として持つことになった。亜左美は敏感に周囲の人間関係を読み取り、治療スタッフの心理をズタズタに振りまわす。榊は「境界例」との疑いを強め、厳しい姿勢で対処しようと決めた。しかし、女性臨床心理士である広瀬は「解離性同一性障害(DID)」の可能性を指摘し、榊と対立する。一歩先も見えない暗闇の中、広瀬を通して衝撃の事実が知らされる…。正常と異常の境界とは、「治す」ということとはどういうことなのか?七年の歳月をかけて、かつてない繊細さで描き出す、魂たちのささやき。
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