2003年5月24日発売
浅見家の出来の悪い「坊っちゃん」として肩身の狭い思いをしているぼくは、おふくろの説教から逃れるように漱石や子規の足跡を辿る松山取材に出かける。途中、瀬戸大橋で出逢った「マドンナ」に痴漢と間違われて「イノブタ」警官に睨まれたりしたが、名跡を訪れて文豪たちを偲んだり、内子座で句会を覗いたりするうちに、そんな不快なことも忘れていた。だが、その「マドンナ」が殺され、しかも第一容疑者はぼくらしいー!?名探偵の浅見自身が軽妙に語る文学散歩ミステリー。
宝くじが当たった!! 賞金で夕食会を企てるも、片山は殺人容疑者とバスに同乗、晴美は現金強盗事件に巻き込まれ、石津は死体発見者に。果たして夕食会に全員集合はかなうのか?!
アメリカ・ペンシルベニア州で、夫婦の冷凍死体が発見された。五歳の息子は行方不明のまま、事件は迷宮入りする。一方、日本では、異常な兆候を示す少女がいた。数年後、恋人を亡くし、重度障害児施設に赴任した女医・志度涼子は、保護室に閉じ込められた少女に出会う。そして、運命の歯車は容赦なく回り始めたー。人類という種が背負った哀しい宿命を、壮大なスケールで描いたヒューマン・ミステリ。第二十回横溝正史賞正賞受賞作。
企業ヤクザの顧問を務める弁護士・小早川の事務所に、あらたな事務員として紀籐ひろこが採用される。その当時、小早川事務所は二件の交通事故の弁護を同時に引き受けていた。一件は謝罪の意思の無い加害者の弁護。もう一件は死亡現場に警察の見つけていない証拠の残された事件であった。素人同然のひろこは難航していた二件の糸口を見つけだす。才能あるひろこに次第に惹かれていく小早川であったが、身元を調査した結果は…。究極の女性を好きになった男の深き苦悩と愛情の物語。
恋人を死に追いやった連続殺人犯を射殺した瞬間、刑事・小林洋介は多重人格探偵・雨宮一彦へと変貌を遂げた。刑務所で彼を待ち受ける不可解な事件!
雨宮一彦に興味を抱いた伊園磨知が、彼をもとを訪れたとき、街では犯罪専門の非合法FM局が特別プログラムを開始した。次々と起きる猟奇事件の真実とは?
【サマセット・モーム賞受賞】 1874年の秋、監獄を訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。ただならぬ静寂をまとったその娘は……霊媒。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる。魔術的な筆さばきの物語が到達する、青天の霹靂のごとき結末。魔物のように妖しい魅力に富む、ミステリの絶品!