2006年1月30日発売
テレビ制作会社で働く小野は、ある日耳にしたヴィオラ奏者の演奏に魂を揺さぶられ、番組制作を決意する。天才少女の栄光と挫折を追ったドキュメンタリーは好評を博し、園子も一躍スターになるが…テレビと音楽をめぐる新スタイルの社会派小説。
水没都市Q市の沖合に浮かび、シーチューブで本土と繋がれた巨大人工島「アクアポリス」。スーパー・サイエンス・スクールに通うタイチの前に、「J」と名乗る女設計士が現れ、突如「きみは濡女を見たはずだ」と告げる。年齢も国籍も不詳のこの女は、みずからを蘆屋道満の末裔、そしてアクアポリスの守護者であると称したー。愛する街を守るため、少年は立ち上がる決意をする!ジャンルミックスの奇才が放つ衝撃のビルドゥングスロマン。
脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち…。死に瀕した母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?ホラーの恐怖と本格ミステリの驚きー両者の奇蹟的な融合を果たした、名手・綾辻行人の長編小説。
児童相談所の所長・山野は、増え続ける児童虐待の報告に頭を抱えていた。その増え方は、明らかに異常だ。児童虐待で始まった違和感は、刑事事件へと発展し、京都の町は瞬く間に無差別殺人によるパニックに陥った。だが、無差別に見えた殺人には、実はある一つの「法則」が隠れていた-。人類進化の最終形態を、戦慄すべきヴィジョンで提示した、恐るべき予言の書。第6回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
私は兄弟二人を愛してしまった…。いつでも会えるホストの亮太と、片想いの浩介。兄を買っているなんて、弟には絶対に言えない…。雑誌ライターの窓香が踏み込んだ出口のない恋。じりじりと秘密の水位が上がっていき、一緒に暮らす妹までもがからまって…。-やりきれない孤独感、強烈な不公平感ーさみしさがあなたのまわりに静かに降りつもる恋愛小説。