2006年9月10日発売
山躁賦山躁賦
確かなものに思われた日常の続きをふと見失った「私」は、病み上がりのけだるい心と体で、比叡高野等の神社仏閣を巡る旅に出る。信仰でも物見遊山でもない中ぶらりんの気分で未だ冬の山に入った「私」を囲み躁ぐ山棲みのモノ達ー。現在過去、生死の境すら模糊と溶け合う異域への幻想行を研ぎ澄まされた感覚で描写。物語や自我からの脱出とともに、古典への傾斜が際立つ古井文学の転換点を刻する連作短篇集。
出られない五人出られない五人
東京郊外のビル地下にあるバー“ざばずば”に集う男女5人。脳溢血で急逝した愛すべき酔いどれ作家・アール柱野を偲び、彼の馴染みの店で一晩語り明かそうという趣旨の会合だった。だが、突如身元不明の死体が目の前に転がり出たところから、5人に疑心暗鬼が生じる。殺人犯がこの中にいる!?翌朝まで鍵をかけられ外に出られぬ密室の中、緊張感は高まっていく。しかし5人には、それぞれ、出るに出られぬ「理由」があったのだ…。ミステリ界期待の大型新人が放つ傑作長編。
七福神殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎5七福神殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎5
悪名高い豪商だけを狙い、誰も傷つけぬ。盗むのは五百両以内。七福神の面を着けた七人の盗賊は義賊として庶民に歓迎された。風烈廻り与力青柳剣一郎は、御奉行から七福神捕縛の厳命を受けた。そんな折、辻斬りに殺された男が一味の一人と判明。さらに七福神が次々と消されていく。誰が何の目的で?青痣与力の人情裁きの剣が冴える、人気シリーズ第五弾。
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