2007年5月1日発売
辻斬り橋辻斬り橋
妾腹の子ゆえ、剣の腕も立ちながら家督を継ぐこともかなわず、無頼の日々を送っていた八坂鏡之介だが、ある日、大目付から、上方より江戸に下ってきた盗賊一味を捕縛するための隠密を依頼される。日常生活に飽いていた鏡之介は喜んでこれを引き受けるのだが…。表向きは白着流しの八卦観として情報集めに専念しながら、異相の岡っ引き・伊佐吉親分と一緒に、米問屋の金蔵から消えた金子、品川沖に漂う幽霊船、そして深川の太鼓橋に夜な夜な現れる辻斬りの謎に挑む。
鑑定師右近大名狩り鑑定師右近大名狩り
伝説の名刀匠・左文字の末裔として生まれた嶋右近は、刀剣の鑑定を生業としているが、ある日、初老の侍から人を斬って欲しいと頼まれる。侍は丹波亀山藩家老の家臣で、家老の命を奪った仇を追って江戸へ来たのだという。右近に、家老の遺された奥方と子息の仇討ちの助っ人をして欲しいというのだ。報酬は二十両と家宝の名刀・来国行。心を動かされた右近は、仇である葛西新三郎の裏で糸を引く者たちの、さらなる悪辣な企みがあることを知り、怒りの斬撃を炸裂させる。
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