2008年10月発売
尾張を統一した織田信長は、宿敵・斎藤氏を滅ぼし美濃を攻略した。木下藤吉郎が次第に頭角を現す。心の安らぎであった愛妾・吉野が世を去り、岐阜に居を移した信長は楽市・楽座など画期的政策を導入、「天下布武」を鮮明にする。近江の浅井長政に妹・お市を嫁がせると、明智光秀の要請を容れ、ついに足利義昭を奉じ上洛を果たす。信長の軍略・政策を明らかにした津本歴史文学の最高傑作。文字が大きく読みやすい角川文庫版。
金子みすゞの詩集から切り取った1ページと置き手紙を残し、女は消えた。数年後、1ページだけ切り取られた詩集を持った少女の母親が殺される。警視庁捜査一課・棟居弘一良は再び人間の宿業と対峙する!
米国ニューメキシコ州にある長距離専門の陸上競技クラブNMAC。日本人が主宰するこのクラブの所属選手、エチオピア出身のジェシカ・エドルは、日本人選手アユミ・ハラダの異変に気づいた。アユミは夜ごと合宿所を抜け出し、呪殺の儀式を行っていたのだ。アユミがそこまで憎む相手とは誰なのか?彼女の口から明かされたのは、意外な人物の名前と衝撃の事実だった…。不可解な謎と巧妙な罠。驚天動地の傑作ミステリ。
21世紀半ば。熱帯化した東京には巨大積層都市・アトラスがそびえていた。さまざまなものを犠牲に進められるアトラスの建築に秘められた驚愕の謎とはーー? まったく新しい東京の未来像を描き出した傑作長編!!
21世紀半ば。熱帯化した東京には巨大積層都市・アトラスがそびえていた。さまざまなものを犠牲に進められるアトラスの建築に秘められた驚愕の謎とはーー? まったく新しい東京の未来像を描き出した傑作長編!!
旧態依然とした邦銀を飛び出した桂木英一は、ウォール街の投資銀行に身を投じた。数々の案件を通じて成長する桂木の前に、「伝説の男」竜神宗一が現れる。世界金融の激変期を圧倒的なリアリティと迫力で描く。
旧態依然とした邦銀を飛び出した桂木英一は、ウォール街の投資銀行に身を投じた。数々の案件を通じて成長する桂木の前に、「伝説の男」竜神宗一が現れる。世界金融の激変期を圧倒的なリアリティと迫力で描く。
商社マンの長男としてロンドンで生まれ、フィラデルフィアで天涯孤独になった朝倉恭介。彼が作り上げたのは、コンピュータを駆使したコカイン密輸の完璧なシステムだった。著者の記念碑的デビュー作。
幼少の頃両親を殺された花城涼は、育ての親に暗殺者として訓練を受け、一流のアサシンとなっていた。己の本能だけを研ぎ澄まし、任務を遂行してきた8年間。だが、暗殺現場にいた女子高生リオを助けたために状況は一変、涼は組織から非情な選択を迫られる。女を殺すか、それとも…。緊迫した状況下で、涼は純真無垢なリオに惹かれてゆき、運命の決断をくだすー。新堂冬樹が描くスリリングで切ないトゥルーロマンス。
自らの命を絶つ【スイッチ】を渡され、施設に閉じ込められている子供たち。監視員の南洋平は、四人の”7年間もスイッチを押さない子”たちに出会う。彼らと共に施設を脱走した先には非情な罠が待っていて。
10年前、抜刀術・名雲草信流を悲劇が襲った。末の妹・綾が放火により焼死してしまったのだ。犯人は、1年後、別の現場に残された遺留指紋が決め手となって捕まった飯浜幸雄。名雲家長男・修作がつきあっていた奈津の父親だった。修作の父・名雲和也は公判に出廷した飯浜に襲いかかる騒動を起こし、失踪。奈津は母親とともに土地を離れて行ってしまう…。守るべきものは何か?愛する者との絆の在処を問う感動巨編。
荒んだ心を抱いた16歳の少女は、展望台で出会った家族に、記念写真の撮影を頼まれる。カメラのファインダーに映るのは、幸福を絵に描いたような一家の姿。それは少女が失った家族像でもあった…。苛立ちを募らせる少女。だが、幸せそうな家族は、思いもよらないある決意を胸に秘めていたー(「記念写真」)。背筋が凍るミステリーから、心にしみる人間ドラマまで、さまざまな味わいをもつ10の物語。文庫オリジナル短編集。
異形な巨体を持つ小学生の弟に脅える、長兄の利一と次兄の祐二。弟の殺害を計画した二人は、村のはずれに棲む〈ある男たち〉に依頼した……第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。
あんまりがんばらずに、生きていきたいなぁ、と思っていた巣籠カナと、自称「宇宙人」の少女・白雪の逃避行がはじまったーー桜庭一樹ブレイク前夜の傑作、幻のエンディング3パターンもすべて収録!!
母の看病のため、故郷の札幌に戻った美波。そこで高校時代の同期生と再び交流を持ち始める。離婚、リストラ、失踪、発病…。45歳になったいま、それぞれの人生がすべてバラ色というわけにはいかない。でも優しく見守りあい、懸命に生きる友人たち。美波には東京に仕事があった。そして、不倫関係の恋人がいた。すべてを清算したつもりだが、元恋人が病に倒れたのを聞き、心が揺れ動く。
明治の岡山、瞽女屋敷の女達。光を失った分だけ、何らかの力が与えられていた。庄屋の娘すわ子様を頭に、三味線を弾き歌をうたい按摩をし、生活している。物の怪を感じる力のあるお芳は、生まれつきの盲目だったという。だが、お芳には、見えていた思い出があり…。やがて、すわ子様が寝込み「牛女」とうわ言を繰り返すようになった時ー。土着の怨念と恐るべき因果がめぐる長編ホラー。
銭湯の湯舟でくつろいでいた青年は、ふと我に返って驚愕する。いつの間にか、そこは「女湯」に変わっていたのだ。何とか脱出した彼が目にした見慣れぬ町。左右が入れ替わったあべこべの世界に迷い込んでしまったらしい。青年は困惑しながら、新しい人生に踏み出そうとするがー。「鏡の国」を舞台に奇想天外な物語が展開される表題作ほか、短編三編を収録。伝説の天才が遺した名作品集。
横浜地検の本部係検事・城戸南は、ある殺人事件を追ううちに、陸上競技界全体を蔽う巨大な闇に直面する。それは、箱根駅伝途中棄権という城戸自身の苦い過去とその後の人生に決着を迫る闘いとなった。あの「鳴沢了」も一目置いた横浜地検検事の事件簿。
「虚飾を焼け、虚栄を打て」メディチ家を糾弾する修道士サヴォナローラの舌鋒にフィオレンツァ市民は次第に酔いしれ、熱狂していくのだった。盛りを過ぎた大輪の花が散り急ぐかのように花の都の春が終わりを迎えるのをひしひしと感じる「私」だがーボッティチェルリの生涯とルネサンスの春を描いた長篇歴史ロマン堂々完結。