2008年3月7日発売
兄弟を殺害して即位した君主を処刑するために、わが子をも欺いて死なせた衛の石〓(さく)、叛乱で父を亡くしながらも速やかに君主を救い、後に中国史上初の成文法を作った鄭の国僑(子産)、楚王に復〓(しゅう)するために呉に仕え、呉王を霸者にした伍員(伍子胥)など、移りゆく国勢と王室の動乱に揉まれながら、国をたすけた名臣二十人の軌跡。
アパレルメーカー新入社員の仲江翠は、入社後すぐにエリート課長との不倫が始まったが、しばらくして同期で課長の部下とも交際。きちんと仕事もこなしつつ、ゲーム感覚の恋愛を楽しんでいた。だが、同じように社内不倫をしていた女子社員に思わぬ事件が発生。それを機に翠の恋愛ゲームにも暗雲が立ち込める。
愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事・蛯原。妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが…。新本格の雄が、綿密な警察取材を踏まえて挑む本格捜査小説。驚天動地の結末があなたを待ち受けます。
有力地銀合併に絡む贈収賄事件で事情聴取を受けていた財務省キャリアの大貫が墜死した。事件との関連の薄い彼の死に不審を抱いた東京地検特捜部の後鳥羽検事は、大貫が改革派議員と組んで日本再生のために大掛かりな日米経済改革を行おうとしていたことを知る。事件は財務省、日米政府を巻き込む大謀略に発展した。
沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。これは真実なのか、それとも幻か?巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。
「私と別れても、逍ちゃんはきっと大丈夫ね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うことと泣くことは似ているから。結婚して十年、子供はいない。繊細で透明な文体が切り取る夫婦の情景ー幸福と呼びたいような静かな日常、ふいによぎる影。何かが起こる予感をはらみつつ、かぎりなく美しく、少し怖い十四の物語が展開する。