2008年6月1日発売
おとこ鷹(上巻)21刷改版おとこ鷹(上巻)21刷改版
天下の直参、と言えば聞こえは良いが、勝小吉はお役に就くこともなく市井に生きる貧乏御家人。だが、人情に厚く腕も立つ小吉は、詐欺師や悪徳高利貸たちを懲らしめるため東奔西走し、町の人々に慕われている。そんな小吉の楽しみは、剣術と蘭学の修業に励む息子・麟太郎の成長だった。後の海舟の若き日を、貧しくとも鷹のように気高く清々しく生きる父子の物語として描いた傑作長編。
おとこ鷹(下巻)21刷改版おとこ鷹(下巻)21刷改版
私塾を開いて妻も娶った麟太郎。貧しい生活をつづけながらも、蘭学や砲術研究にますます磨きをかけ、その力量は諸大名や幕閣の目に留まるまでになった。息子の立身に目を細める小吉は、市井の人々と喜怒哀楽をともにする日々をおくっていたが、いつしか病を得るようになり…。幕末という時代のうねりと、たくましく生きる江戸ッ子たちの姿を生き生きと描いた畢生の歴史時代小説。
加茂のかんざし加茂のかんざし
京都西町奉行所与力、大江権十郎。いかつい名前に無骨な面相。惚れた腫れたがこれほど似合わぬ男もいないが、十年来の恋をしていた。暴漢に襲われた娘を助けた権十郎は、感謝のしるしに簪を差し出された。一目ぼれした権十郎は、己の小柄をお返しとばかりに渡し、十年ののちにふたたび見えようと約した。初心な同心のせつない恋心を描いた一篇ほか全二話を収めた、“鬼平”の父の推理と刃が迫る、シリーズ第4弾。
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