2010年1月25日発売
日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。そんな彼を探し回る男が一人。矢一郎の死んだ妻の弟、辰治だ。執拗に追われ矢一郎はついに国境を越える。樺太から氷結の間宮海峡を越え革命に揺れる極東ロシアへ。時代の波に翻弄されながらも過酷な運命に立ち向かう男を描く長編冒険小説。直木賞・山本賞ダブル受賞の『邂逅の森』に連なる“森”三部作完結編。
「もう、ひとりも仲間は殺させない」記憶が戻らないまま暴力の世界に生きることを決意したタケル。テロ組織アトラ・ハシースでは非情なテロリストとして畏怖と憧れの目で見られた彼だったが、八神初穂との出会いが大きな変化をもたらしていた。組織からの刺客イシュタルもその変化に戸惑い、心に迷いを生じる。だが、タケルの包囲網はさらに狭まり、闘いはさらに苛烈さを増してゆくー。
「十人相手に一人でケンカに行くんが不良で、一人相手に十人で行くんが非行。それを見てんのが金持ち。うちのお父んが言うてたわ」一人っ子ヤンチの父は、バクチ好き酒好き女好きの仕事嫌い。一家を支える働き者の母はそんな父に愛想を尽かすと家出する。ロクデナシの大人達と家庭に問題アリの友達に囲まれ、女子にときめきながら「不良少年」デビューを果たすヤンチのハートじんじん成長物語。
内堀優一郎は、五年前ストーカーに娘の優希を殺された。犯人の中下が刑期を終えて出所したあと殺害され、内堀に容疑がかかる。無実を信じる弁護士、裁判員に選出された六人が、検察官の有罪シナリオに立ち向かう裁判が始まったー。犯行を否認しながら、法廷で黙秘を続ける内堀、その真意とは!?真実を求め闘う、迫力と臨場感あふれる法廷ミステリー。名作「絆」に続く、著者渾身の書き下ろし。
奇人変人や怪事件を引きつけてしまう、あたしはステファニー・プラム。今度は超能力を持つ男ディーゼルが、あたしの前に現れた。ヤツが追う男と、あたしが探している保釈逃亡者が関係していると知って、あたしも仕方なくディーゼルに協力することに。何の因果か「縁結び業」をするうちに、とんでもない事件に巻き込まれた!?米国では本編をしのぐ勢いの、爆笑ミステリーシリーズ番外編。
地下鉄で乗客とトラブルになっていたところを救ったのがきっかけで、“俺”はイラストレーターの近藤と飲み友だちになった。その近藤が何者かに刺されて死んだ。友人の無念を晴らすべく、ひとり調査を開始した“俺”の前に、振り込め詐欺グループ、闇金融、得体の知れない産廃業者らの存在が…絶体絶命の窮地に陥りながらも、“俺”は友の仇を討つために札幌の街を走り回る。好調シリーズ、長篇第8作。
暗雲立ち込める山中のサナトリウムの前に、20年前解散した伝説的ロックバンド鉄拳の元メンバーが集結した。薬物依存症で脱退し、闘病の末亡くなった天才ギタリスト・ルビー。その遺体は即日荼毘に付され、形見の紙片には暗号めいた文字が記されていた。ルビーの死に不審を抱いたメンバーたちは真実を追って病院の門扉を叩く。それが新たな崩壊への序曲だとも知らず…迫りくる嵐が呼ぶ衝撃の結末とはー。