2010年12月29日発売
日蝕・一月物語日蝕・一月物語
錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光…。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」。明治三十年の奈良十津川村。蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く「一月物語」。閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。
花嫁は遊色に魅せられる花嫁は遊色に魅せられる
伴侶である塔眞一族の三男、貴礪とともにミステリーツアーに参加した元骨董商の凌。行く先も行程も知らされないまま、豪華な皇帝列車に乗って大陸をひた走る旅ー二人は、五十時間以内に「唯一の宝石」を探せというゲームに加わるのだが…。そんな客たちの中に貴礪の大学時代の友人や元恋人などもいて、彼の過去が気になる凌で…。果たして「唯一の宝石」探しの秘密とは…?惑溺のラブトレイン。
道果ての向こうの光(黄昏の花と暁の騎士)道果ての向こうの光(黄昏の花と暁の騎士)
二人の道の果ての向こうにあるものは絶望か、それとも……!? 馬車に轢かれた町娘のユーナは、謎の光に請われるがまま、同時刻に自殺を図った聖女・シェリアスティーナの命を繋ぎとめるため、彼女の身体に入り、1年間の期限付きで王宮で生活することになる。王宮での生活にも次第に慣れ、シェリアスティーナの婚約者であるアシュートに淡い恋心を抱きはじめたユーナだったが、シェリアスティーナの壮絶な過去を知り、王宮を彼女にとって少しでも居心地の良い場所にしようと、身代わり聖女としての残り少ない時間を彼女のために使う決意をする。一方、シェリアスティーナがユーナであることを知らないアシュートは、恨んでいたはずの聖女に好意を感じている自分にひとり苦悩していた──。
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