2010年4月25日発売
十津川警部に、ラジオ深夜放送のリクエスト葉書を使って、殺人を予告する卑劣な挑戦状が届く。やがて黄金週間最終日、特急「有明」の車内で殺人が起こる。被害者は、不動産業などで莫大な資産をもつ小堀忠男。彼には、二人の息子と五人の愛人がおり、それぞれに遺産を分配する遺言状があった。骨肉の遺産争いかと思われた矢先、第二の殺人が…。時刻表トリックに挑む興奮の長編トラベルミステリー。
私が死ねばよいと思っている人間が七人いるーその言葉を残し、老古代史学者の新藤英二郎は殺された。復元した甕棺の中で「女王・卑弥呼」の再現衣装をまとい、顔を朱に塗られて。日本という国の成り立ちに関する過激思想ゆえに生命を狙われていた老教授を殺したのは誰なのか?教え子の歴女・村野杏美は、新藤と巡った北九州古代史の旅をふり返りながら、恩師の死の謎の挑戦する。書き下ろし歴史ミステリー。
旅行代理店の臨時求人に応募してきた派遣会社「倶利迦羅紋々スタッフサービス」。信じられない好条件に代理店社長の飯田は即決するが、正体は何とヤクザのフロント企業。手を変え品を変え7人の男女を巻き込んだ倶利迦羅社の目的は一体?戦々恐々とする面々に警察も加わり、福岡を舞台に三つどもえのコン・ゲームが始まった。怒涛のノンストップミステリー、文庫オリジナル。
トロント大学医学部を目指すミンとフィッツ。二人は、さまざまな紆余曲折を経て、医学生となるのだが…。過酷な医療現場の最前線で、若き医師たちはいくつもの困難に立ち向かい、挫折を繰り返し、そして成長していく。張りつめた空気のなかで行われる心肺蘇生、帝王切開手術、そして猛威をふるうSARSの恐怖。医師として人間として味わう喜びと苦悩を迫真の筆致で描き尽くした連作短篇集。
フェードルは、驚くべき姿を隠れ蓑にしていたメリザンドとついに対面した。王位を得るため女王を亡き者にする計画を語るメリザンド。暗殺の場となるのは、各国の王が一堂に会する君主会盟だ。危険を知らせねばと焦るフェードルだが、孤島の監獄に幽閉されてしまう。一度は絶望したが、奇跡の脱獄劇のすえイリュリアの海賊船に助けられた彼女は、人質交換を申し出る手紙を出すが…。華麗なる歴史絵巻、激動の完結篇。
心の平静を求め、シエラネヴァダ山脈にある修道院に滞在していたオッド・トーマスは、12月の深夜、ボダッハ“悪霊”を発見した。ボダッハの出現は大惨事が起きる前触れとなるため、彼は調査を始める。だが修道士がひとり忽然と消え、さらに顔のない修道士や想像を絶する怪物が現われる。猛吹雪の中、修道院で暮らす子どもたちを守ろうと闘うオッドの前に、やがて驚くべき真相が!謎とサスペンスに満ちたシリーズ最高傑作。