2011年2月20日発売
シンメトリーシンメトリー
百人を超える死者を出した列車事故。原因は、踏切内に進入した飲酒運転の車だった。危険運転致死傷罪はまだなく、運転していた男の刑期はたったの五年。目の前で死んでいった顔見知りの女子高生、失った自分の右腕。元駅員は復讐を心に誓うが…(表題作)。ほか、警視庁捜査一課刑事・姫川玲子の魅力が横溢する七編を収録。警察小説No.1ヒットシリーズ第三弾。
短劇短劇
懸賞で当たった映画の試写会で私が目にしたのは、自分の行動が盗撮された映像だった。その後、悪夢のような出来事が私を襲う…(「試写会」)。とある村に代々伝わる極秘の祭り。村の十七歳の男女全員が集められて行われる、世にも恐ろしく残酷な儀式とは?(「秘祭」)。ブラックな笑いと鮮やかなオチ。新鮮やオドロキに満ちた、坂木司版「世にも奇妙な物語」。
巻きぞえ巻きぞえ
夫、息子と幸せに暮らす宏美は9年前に恋人を飛び降り自殺の巻きぞえで失っていた。しかし、時を経て浮かんできたのは、その自殺の裏に隠れていた衝撃の真相だった(表題作「巻きぞえ」)。書下ろし「解剖実習」を含みすべて死体から始まる珠玉の短編ミステリー7編を収録。なにげない日常にこそ潜んでいる恐怖を描く「デイリーサスペンスの女王」渾身の短編集。
蜘蛛の糸蜘蛛の糸
彫刻家・遠野公彦は、モデルのリンダをひと目見た瞬間に「ひらめき」を感じた。彼女の可憐かつ扇情的な振る舞いは、四十二歳の独身芸術家に創作意欲だけではなく、別の感情までをも沸き立たせてしまった。ヌードを拒むリンダを脱がせるため、遠野の悪戦苦闘が始まるー(「充血性海綿体」)。情けなくも愛すべき男たちの「悲哀」をユーモアたっぷりに描いた異色の七編。
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