2012年1月25日発売
「気がつくと、夢中で読みふけっていた。続きが気になって、中断したくない。 一刻も早くラストを知りたいが、物語が終わってしまうのも、惜しい。結局、読了後もしばらく余韻が続いた。」(小谷真理氏「解説」より) 二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王でであったーー。 一国をめぐる男二人の相克! 翠の国は、ここ百数十年、鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの部族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領、櫓(ひずち)が王として治めていた。 櫓は旺廈の頭領となるべき薫衣(くのえ)を森の中に幽閉してきたが、15歳になった時、薫衣を王の城、四隣蓋城に連行する。 城の地下、歴代の王の墓所で2人きりになった櫓は思わぬ提案を投げかける。「二つの氏族を一つにし、戦を終わらせよう」と。 「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王にとって、それは想像以上に厳しい道だった……。 “仇を討てぬ臆病者”。その非難をあびながらも、迫り来る外敵に備え、二人は己を殺して国難に立ち向かう。 日本ファンタジーの最高峰作品。 【目次】 序章 第一章 雷鳥の帰還 第二章 翼なき飛翔 第三章 ススキ野に吹く風 終章 主な登場人物 解説 小谷真理 序章 第一章 雷鳥の帰還 第二章 翼なき飛翔 第三章 ススキ野に吹く風 終章 主な登場人物 解説 小谷真理
シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して…(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。
新進気鋭の作詞家・遠山響樹は、年上の女性実業家・浅木季理子と8年の付き合いを続けながら、ダイヤモンドの原石のような歌手・エリカと恋に落ちてしまった……愛欲と官能に満ちた奇跡の恋愛小説!
江戸に戦国武将の霊が!? どうやら風魔の仕業らしい。ぽんぽこと小次郎は、江戸の四神相応の地に散った風魔五人衆を追うことに……「ちょんまげ、ちょうだい」事件の解決もつかの間、魔物との激闘が始まる!
町奉行とは別に置かれた「火付盗賊改方」略称「火盗改」は、その強大な権限と広域の取締りで凶悪犯たちを追い詰めた。与力・雲井竜之介が、5人の密偵を潜らせ事件を追う。書き下ろしシリーズ第1弾!
仙台で病死した食品会社の社長・田中の手帳になぜか十津川の名が残されていた。手帳を巡って繰り返される殺人事件。事件の脚本を書いたのは誰か? 厚いヴェールに覆われた真相に、十津川警部の推理が迫る!
「友達」なんて言葉じゃ表現できない、戦友としか呼べない玖美子。彼女は突然の病に倒れ、帰らぬ人となった。彼女がいない世界はからっぽで、心細くて……大注目の作家が描いた喪失と再生の最高傑作!
曹操の魏、孫権の呉、劉備の蜀が鼎立する「三国志」の時代。曹操が没すると、跡を継いだ曹丕は献帝に禅譲を迫り、ついに後漢は滅んだ。皇帝となった丕は、有能な側近、司馬仲達に絶大な信頼を寄せ、次の皇帝・叡も仲達を重用した。大将軍に昇進した仲達は、北伐を企てる諸葛亮率いる蜀軍と、五丈原で対峙する。しかしそれは、「三国志」の通過点に過ぎなかった…。「三国志」の時代に幕を引いた男を描く、中国歴史小説の傑作。
きっと会えるーー冴子は失踪前の父がボリビアで書き残した手記の中に、世界の仕組みを説き明かす鍵を発見した。冴子は秘められた過去と、地球に迫る危機を知る! 小説と科学が融合した、ホラー小説最終形。
人が法則が消えてゆくーー長野、新潟、カリフォルニアで相次ぎ起こる人間消失。誘拐、家出、神隠し、それとも!? 調査を始めたフリーライターの冴子は、未曾有の世界的異変を嗅ぎ取るが……。
東北の都市、海斗市から沖合5キロの泥洞島。7年前、姉の美花が行方不明になった。高校2年だった。それ以降、父は休職し、母は新興宗教にすがる日々。家族は崩壊してしまった。そんなとき、島内にある観覧車から従業員の死体が発見される。被害者の所有していた小型船から見つかったのは、いなくなった姉の携帯電話だった…。複雑に絡み合う事件の真相とは。失った家族の絆は取り戻せるか。心揺さぶる、感動の傑作長編。
マイケルは作家として成功を収めたジュリアンとの再会を果たす。だが、弟は深く心を病んでいた。孤児院アイアン・ハウスでの忌まわしい記憶にいまだ取り憑かれているのか。しかも、ギャングの魔の手が迫るなか、弟を養子にした上院議員の邸宅の敷地で無残な死体が見つかる。それは孤児院でジュリアンを虐めていた連中の一人の成れの果てだった。まさか、弟が犯人なのか…。交錯する謎が新たな謎を呼ぶ!著者の新境地。
【特集】「教室寄席」 「飛ぶ教室」が落語を特集! 落語家や児童文学作家らによる、書き下ろし落語7席をはじめ、 落語マンガ、エッセイなどを盛り込んだ、「飛ぶ教室」ならではの「教室寄席」。 古典落語4席を収録したCDも付いています。 <新作落語>「グルコサミン」立川談四楼/「学校の怪談」斉藤 洋/「花見弁当」二宮由紀子/「宇宙人」前田司郎/ 「台所の隅」三遊亭白鳥/「チリンチリン」新沢としひこ/「スプリング・モンスター・ナイト」岡田貴久子 <対談>「子どもの『楽しい! 』って、なんだろう」桂 文我×二宮由紀子 <エッセイ>清水義範/三林京子/乙武洋匡/杉浦範茂 <マンガ>「落語三昧」あおきひろえ <古典落語CD>「つる」「芋俵」立川談修/「元犬」「お菊の皿」柳亭こみち 【随想】あの時わたしは、今わたしは・梶尾真治 【連載】「本を読む(3)」岩瀬成子/「リョウ&ナオ(3)」川端裕人/「ロールイチゴ(9)」ひこ・田中/ 「子どもたちによろしく(11)」長崎訓子 【マンガ】「さんぱつやきょうこさん(27)」長谷川義史 【エッセイ】わたしの一冊・河瀬直美/鈴木のりたけ 【Books】絵本・松田素子/児童書・野中 柊/YA・宇野常寛/大人の本・幅 允孝