2013年3月19日発売
香港の中国返還目前の1997年。中国本土を経て香港からアメリカへと運び出されるヘロイン(チャイナホワイト)の流通が激減する異常事態に陥った。新規ルート開拓に旅立ったニューヨークのシチリアマフィアの顧問弁護士を追って、連邦司法省麻薬取締局(DEA)捜査官ベリコフはロシアに飛ぶ。新宿で潜入捜査中に同僚を射殺され、麻薬取締官三崎は自らも瀕死の重傷を負うー傑作巨編、怒涛の上巻。
ホワイトタイガーなる人物が率いる麻薬密売組織が香港に代わるルートに日本に目をつけ、日本最大の広域暴力団に取引を持ちかけた。三崎は故あって独自にホワイトタイガーの正体に迫ろうとする。来日したベリコフはホワイトタイガーの情報を求める中国人趙と出会い、同じ目的を持った三人は共闘して世界的な麻薬犯罪の中核に挑んでいくがー一大スケールのエンターテインメント大作、完結巻。
幕末の九州で「からくり儀右衛門」と呼ばれた男がいた。その名は田中久重。天性の才能を生かし、精巧な「からくり人形」を生み出した。「人の役に立つ技術でないと意味がない」という思いから、灯具、万年時計など、生活機器を作り出し、明治維新後は銀座に工房を設立、後の東芝の祖となる。歴史の波に揉まれながら「技術大国ニッポン」の基礎を作った男の生涯を描く、著者渾身の歴史小説。
ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴〓(ぼう)舎に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。
あの頃、僕らはいつだって、目の前の何かに夢中になって、彼方の誰かに恋をしていた。宇宙飛行士を目指す兄の背中を、一途に追いかけていた幼い日々。たったひとりの親友以外には友達もいない学校生活で、不意に胸に焼きついた女の子の横顔ー。まっすぐでイノセントな少年少女たちの一瞬を切り取った、心あたたまる青春小説集。巻末に可愛い絵本も収録の、中村航・初の文庫オリジナル作品。
絶対にファイター・パイロットになるんだー。親子三代での戦闘機乗りを目指す航空学生出身の坂上陸と、防衛大学卒業後、国を守りたいという強い思いから航空自衛隊に入ったエリートの高岡速。立場も考え方もまるで違う二人の青年の人生が交差するとき、心揺さぶられる熱いドラマが生まれる!戦闘機に乗ることに憧れを抱き、夢に向かって突き進む若者たちを描いた壮大な“空”の物語。
カントリー・ロックのカリスマ、テイジャ・マクファーランドがライブ公演中に銃弾に倒れた。自殺か他殺か?会場に居合わせたジョー・ベケットはテイジャの死の背景を探る。テイジャはストーカーにつけ狙われていた。そして大統領元夫人でもあった。テイジャの死は彼女個人の問題ではなく、国家を巻き込む陰謀の一端なのか?やがてジョーの動きを封じようとする力が働きだして…。人気サスペンス第3弾。
吉祥寺に出店する大手書店チェーンに転職を果たした理子と亜紀。しかし、大型書店の店長という、いままでと違う職責に理子は戸惑っていた。一方、文芸書担当として活躍する亜紀にも問題が。妊娠をきっかけに起こった夫との確執、書籍の回収騒動ー。そんな忙しい日々の中、本と本屋の力を信じる二人が考え出した新たな挑戦とは?書店を舞台とした痛快お仕事エンタテインメント第二弾。