2013年3月25日発売
1850年、江戸。浪人に襲われ、最愛の母を殺された少女・凪。天涯孤独となった凪は、近藤勇に助けられ、近藤が営む道場「試衛館」で暮らすことになる。捻くれ者の美青年・土方歳三、強気な美少年・沖田総司、個性豊かな男たちとのにぎやかな日々に、凪は明るさを取り戻していく。しかし、幕府への反発が高まり、世の中は徐々に不穏に。倒幕運動が激化するなか、幕府を命がけで守る人斬り集団“新選組”となった彼らには、壮絶な運命が待ち受けていたー。第6回魔法のiらんど大賞、歴史部門賞受賞。
倒幕にむけた反乱が次々と起こるなか、幕府のために命がけで戦い続ける新選組。しかし、優しい兄のような新選組総長・山南の死をきっかけに、新選組の絆が揺らぎはじめる。大切な仲間の裏切り、別れ、死…混乱のなか、それでもなお必死に戦い続ける沖田総司。彼の姿を傍で見続けていた凪は、長い間気づけなかった恋心を自覚する。ずっと沖田と共にいる決意をした凪。だが、沖田は重い病に侵され、残された命はあとわずかでー。第6回魔法のiらんど大賞、歴史部門賞受賞。
あらすじ…足の不自由な少女、キラ。唯一の庇護者であった母がある日、突然の病に倒れ亡くなってしまう。体の不自由な者にとって苛酷な「村」の環境のなかで、キラは自分が生き残れないかもしれないことを覚悟する。しかし彼女には、「村」の未来にかかわるある不思議な力がそなわっていた… 読みどころ…前作『ギヴァー』と異なり、「少女」が主人公で、「糸」「布」にまつわる特殊技能がテーマです。登場人物たちのサバイバルは前作よりもかなり苛酷。しかし、ひきしまった文体と物語展開、「幸福」や「共生」の意味を深く考えさせるストーリーテリングの手腕は健在! つづく第3作の主人公となる型破りでキュートなキャラクターも登場します! 海外レビューより…フィクションの達人ロイス・ローリーは、写実的な物語とファンタジーのいずれにも卓越している。そして、わたしたちの文明の将来の姿を写しとっているかもしれないこの物語は、作家の最高傑作のひとつだ。-『ブックリスト』誌 ローリーが、あのニューベリー受賞作『ギヴァー』で描いた象徴的な近未来の世界に戻ってきた…いつもながら思索と議論をよびさますたくさんの題材がちりばめられているだけでなく、今回は“魔法モノ”のタッチも加わっている。そして読者は、前作のあの謎めいたラストシーンを読み解くためのかすかなヒントをも見いだすことができるかもしれない。-『カーカス・レビュー』誌