2013年9月19日発売
いつも手遅れいつも手遅れ
無に向かって広がる声の万華鏡。 読めば読むほどふかみにはまる。 タブッキに惚れたってことよ。--小池昌代(詩人) こうして小説になったこれらの手紙の性質はどんなものか話せと言われたら、恋文だと規定してみせるかもしれない。それは相当広い意味において、つまり広大な愛の領域と同じくらい広くて、怨恨、憤慨、郷愁、後悔といった、愛の領域とは無縁に見える未知の領域にまで広がっている。--A・T「あとがき」より
脅迫(上)脅迫(上)
女性司会者が“ルバーコ・ペンタッド”と名乗る男によって殺害された。百万ドルを支払わなければ、次は政治家を殺すという要求がFBIに届く。捜査官がニセ金を持って指定された場所へ向かうと、そこは三十年前に閉鎖された海軍刑務所だった。内部に仕掛けられた巧妙な罠により捜査官は殺され、犯人は逃亡。数日後には予告どおり議員が殺される。捜査が手詰まりとなる中、かつて犯人追跡に特異な才能を見せていた元FBI捜査官スティーヴ・ヴェイルの所在が明らかになるー。
脅迫(下)脅迫(下)
次の要求で犯人はFBIのバートク捜査官を指名し、二百万ドルを車に積んでラスヴェガスへ向かうよう指示するが、バートクは途中で金と共に失踪。犯人がFBIの捜査方法を熟知していることは明らかで、これまでの犯行には、捜査官に支給されている銃が使用されていた。素行面に問題のあったバートクがペンタッドなのか、金に目が眩んで横領を決めたのか、あるいは真犯人によって殺害されたのか…。残された手がかりを追うヴェイル。そこには相手を死へと導く恐ろしい罠が仕掛けられていた…。
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