2013年9月29日発売
第二次世界大戦中に少年時代を送った旧ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュ。ユダヤ人であった父親は強制収容所に送られ、帰らぬ人となった。この限りなく美しい自伝的連作短編集は、悲劇をアイロニーと叙情の力で優しく包み込む。犬とこの上なく悲しい別れをする少年アンディはあなた自身でもあるのです。
顔見知りの女性ビッツィから、古いお屋敷を企業向けの宿泊施設に改装するので、内装を担当してほしいと頼まれたジェーンとシェリイ。工事関係者はほぼ女性のみという異色ぶりに加え、契約書も設計図もいいかげんなことに、二人は不安を覚える。そのうえ当の屋敷に嫌がらせをされ、止めにある夜、関係者の死体が転がる事態に…主婦探偵がリフォームに手を貸す、シリーズ第13弾。
陰ではマッタリさんと呼ばれ捜査中に俳句をひねるとの噂もある松谷警部は、目黒の殺害現場で所轄の白石巡査と合流。被害者の友人から聴取を始めたところ、過去の変死事件が浮かんできた。事件は予想外の広がりを見せるも、関係者に犯行の機会や動機は見当たらない。白石巡査の推理に期待し、松谷警部は助勢に徹するが…。犯人当ての妙味に富んだ本格ミステリ、文庫書き下ろし。
ある代議士夫人の影が盗まれたー。この不可思議な事件の謎を解いてほしいと養父母の頼みを断りきれず、高広は礼と調査を始める。事件には妖しい爪哇の魔術が絡み、さらに帝都を騒がす怪盗ロータスの気配が…。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年を中心に、明治の世に生きる人々の姿を描く“帝都探偵絵図”シリーズ第三弾。書き下ろしを含む六篇を収録。
分身のごとき双子の兄コンラッドの死。ヴィクターの喪失感はあまりにも大きかった。そんな時、闇の図書室の残骸で見つかった降霊盤がある言葉を綴った。『来たりて、よみがえらせよ』ヴィクターは隠された霊薬を発見し、コンラッドの恋人エリザベス、親友ヘンリーとともに、死せるコンラッドに会うため霊薬を口にする。若き日のフランケンシュタインを描いたダークファンタジー。