2013年発売
ここは、ある乙女ゲームの世界。平凡な女子高生・詩織は、攻略対象としてこの世界に転生した従兄をヒロインから守るべく、日々、彼女の動向を探っている。そんなある日、詩織のクラス担任でもある従兄がバンド合宿の引率をすることに。それには、なんとヒロインも参加するという。しかも彼女の狙いは、従兄の寝起きに発生するイベントのようで!?調理実習、学期末試験、球技大会とますますイベント発生中!異色の学園ラブコメディ、待望の第2幕。
世界中で大人気の「赤ずきん」。この話ほどさまざまな解釈を生んでいる物語はない。少女がおばあさんの血肉を食べたり、服を一枚一枚脱いでいったり、狼と同衾したり、…。これら童話とは思えないテーマを、民間伝承を通して、少女が大人になるための通過儀礼と見なし、“赤ずきん”という被りものにひそむ謎の追求によって、この「愛らしい」物語に斬新な分析を提示する。
直木賞受賞作、待望の文庫化! あの直木賞受賞作が、待望の文庫化! 「お前には夢があるのか? オレにはある」 研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。 圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。 特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていたーー。 男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編! 第145回直木賞受賞作。 池井戸潤、絶対の代表作 (解説・村上貴史)
支援団体“パンディオン”の理事長・青澄は、陸と海との対立を解消するため、“ラブカ”の指導者のひとりザフィールとの接触を試みた。だが、海上民の悲惨な現実に絶望してラブカの指導者への道を選んだザフィールは、交渉による和平への道を徹底的に拒否し続ける。その背後にさらに深い闇が隠されていることを青澄は独自の経路で知るようになる。不穏な社会状況が続く中、人類の記録と生命の種を系外惑星に送り込む計画に共感した星川ユイは、深宇宙研究開発協会の門戸を叩くが、協会もまた、部品調達の困難や世論の批判によって多くの問題を抱えていた…。苛烈な闘争の時代に己の信念を貫く者達が、この星に生の輝きを灯す究極の黙示録巨篇。
『忘れられた花園』のモートンが再び読者を誘う物語の迷宮。オーストラリアABIA年間最優秀小説賞受賞。母は、なぜあの見知らぬ男を殺したのか?少女だったローレルは確かに聞いたー「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と彼が言ったのを。
高級老人ホーム“海の上のカムデン”に変化が起きた。長年住んでいたトッツィが、近所にできた老人ホームに引っ越したのだ。三週間後、その彼女がアンジェラとキャレドニアに依頼をする。転居先に出る幽霊の正体を見極めてほしいというのだ。同じ屋根の下にいた縁で…というよりは退屈しのぎが目的で、名物コンビは“潜入捜査”を敢行するが…!?老人探偵団シリーズ第七弾。
古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナム。トリシアはそんなストーナムのミステリ専門書店の店主だ。今日はベストセラー作家ゾウイのサイン会。サイン会はなんとか成功のうちに終了しほっとしたのも束の間、いつの間にか姿を消した主役を探しにいったトリシアが見つけたのは、人気作家の変わり果てた姿だった。本屋だらけの町で起こる事件を描く、好評ライトミステリ第二弾。
モアン国王である兄コルグーがフィデルマに与えた任務は、古の神々を信奉する“禁忌の谷”に赴き、キリスト教の学問所を設立する折衝をして欲しいというものだった。だが、エイダルフを伴い谷に向かうフィデルマを待ち受けていたのは、生贄のごとく並べられた、三十三人の若者たちの亡骸だった。七世紀のアイルランドを舞台に、美貌の修道女フィデルマが活躍するシリーズ第六作。
若者たちを殺したのはグレン・ゲイシュの民なのか。疑惑を胸に、族長と評議会との折衝に臨むフィデルマ。だが折衝は難航し、共に族長の城砦に滞在していたローマ派の修道士が殺された。容疑者はフィデルマ。死体を調べようとかがみ込んだところを兵士に見つかり、犯人と思われ拘束されてしまったのだ。頼れるのはエイダルフと自らの知力のみ。この窮地を如何にして脱するのか?
オロバジェ国の第二王女エリサは、祖国の倍もある砂漠の国ホヤ・ド・アレナの王に嫁ぐことになった。初めて会った夫は素敵で優しく、食いしんぼうで飽きっぽいだけのエリサは、ひそかに心をときめかす。だが嫁ぎ先の国に着くと、何かがおかしかった。神に選ばれし者、ゴッド・ストーンを帯びた王女の波乱の運命を描く、パオロ・バチガルピ氏激賞の異世界ファンタジー三部作開幕。
偏屈、毒舌、皮肉屋、気分屋、浪費家、人格破綻者。だけど、あらゆる訴訟を勝利に導いてきた駆け引きと策略の天才弁護士・古美門研介ーその古美門とタッグを組んで訴訟に挑むのは、真実を追い求め、正義感で突っ走る熱血弁護士・黛真知子ーそんな2人の前に、“皆が等しく幸せになる”ことを目指す、人たらしの新世代弁護士・羽生晴樹が現れて、喧々諤々丁々発止の裁判デイズが繰り広げられていく。その一方で、古美門と黛は数々の殺人容疑で“世紀の悪女”と評される美人死刑囚・安藤貴和を弁護することになったのだが、貴和はすべてを語ろうとはせず…弁護士ドラマ史上もっとも笑える、極上リーガルコメディ第2弾!
大学に進学した小暮井ユキが出会ったのは、「ラバーグラス」という演劇サークル所属の大野さんと、シーンごとにバラバラとなった脚本にとり憑いているという幽霊の噂。「その事件、解決しちゃいませんか?」ユキは、サクッと持ちかけるが、駆り出されるのは、もちろんあの2人の“探偵さん”で…。“小説家”と“編集者”のコンビが、幽霊にまつわる謎を、物語を創るように議論しながら解き明かす、異人館の街をやさしく彩る探偵物語。
女であることを隠し、伊勢崎町の『松波屋』で船頭を務める弥生。この船宿には裏稼業があった。何かから逃げだいと望む者を、金子と引き換えに綺麗に逃がす、「とんずら屋」。宿に長逗留する丈之進は、こちらもわけあって呉服問屋の跡継ぎを装っているが、国許からの「仇討の助太刀をせよ」との要請に、頭を悩ませていた。そんな船宿に、お鈴という新顔の女中が。どこか武家の匂いが漂うお鈴、それぞれの事情が交錯してー。シリーズ第2弾!
丹沢山中で相見えた大鳳と久鬼。大鳳の眼の前で、久鬼は己のキマイラを制御してみせる。共に闘おうと差し伸べた手を拒絶された久鬼は、深雪のもとに。一方大鳳は行き場を求め、渋谷を彷徨う。怒濤の第4弾!
イラクで戦うアメリカ人傭兵と日本で薬学を専攻する大学院生。二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。一気読み必至の超弩級エンタメ!
研人に託された研究には、想像を絶する遠大な狙いが秘められていた。戦地からの脱出に転じたイエーガーを待ち受けるのは、人間という生き物が作り出した〈地獄〉だったーー。現代エンタテインメント小説の最高峰。