2014年1月17日発売
東京・神谷町の広壮な洋館に三世代十人で暮す柳島家。子供たちは学校に通わず家庭で教育されていたが、ある日とつぜん、父親の提案で小学校へ行くことに。次女の陸子はそこで知るのだった。叔父や叔母との同居、父親の違う姉と母親の違う弟の存在などは、よその家では「普通」ではないらしいということをー。世代をこえて紡がれる、風変りな一族の愛と秘密。江國香織の新たなる代表作。
三世代が親密に暮す柳島家。美しく幸福な家族に見える彼らにはしかし、果敢に「世間」に挑んで敗北してきた歴史があった。母の菊乃には婚約者がいながら家出し、妊娠して実家へ戻った過去が。叔母の百合には嫁ぎ先で病気になり、離縁した経験がある。そして、健やかに成長する子供たちにもまた、変化がおとずれー。家族それぞれに流れる時間を細やかに豊かに描いた、三世代百年にわたる愛の物語。
大坂の旅篭「さと屋」の看板娘の花歩。名所案内と案内図「浪花歩図絵」の評判は上々だが、図絵に載せて欲しい店からの付け届けも急増、対応に頭を悩ませていた。そんなとき、花歩の行方知れずの実父が描いた宝船の絵と、そっくりの絵を見たという人が現れて…。秋の名月、晩秋の顔見世興行、冬の雪景色など、風物と共に綴られる全4編を収録。浪花の人情溢れる書き下ろし時代小説、第3弾。
中年男性が通勤途中行方不明になり、3カ月後凍った湖で見つかった。凶器は魚をさばくナイフ。同じ頃、エリカの友人クリスチャンが『人魚』という小説で作家デビューした。しかし華やかな出版パーティの最中、謎の脅迫状が届き彼は失神する。その内容を知ったエリカは、誰かが今にも殺しそうなほど彼を激しく憎んでいると直感するのだが…。スウェーデン発、大人気ミステリ・シリーズ第6弾!
2011年8月にヒトラーが突然ベルリンで目覚める。彼は自殺したことを覚えていない。まわりの人間は彼のことをヒトラーそっくりの芸人だと思い込み、彼の発言すべてを強烈なブラックジョークだと解釈する。勘違いが勘違いを呼び、彼はテレビのコメディ番組に出演し、人気者になっていく…。