2014年11月7日発売
十津川班の日下刑事は、叔父で元刑事・黒田信行のマンションを訪れた。黒田の娘から、父と連絡が取れないと相談を受けたからだ。部屋で日下が目にしたものは、何者かの死体だった!さらにその場には「KOKOKU12×4」という謎のメッセージが…。やがて黒田の死体が琵琶湖で発見され、十津川は現場へ飛んだ。が、第三の死体が!?謎が謎を呼ぶ不可解な連続殺人に十津川が挑む!
恋愛で結びつくなどという結婚は、働かないと食べてゆけない人がすることー。上流階級でしか暮らせない男女のめぐり逢いを、醒めた文体で描いた、四篇からなるロンド小説。欲望を経た純愛、秘かな被虐性愛、静かに熱を帯びる片恋、南島での邪淫。満ち足りた暮らしの満たされない孤独を、四組の「わたし」と「藤沢さん」が織りなす。異才が贈る、正しい背徳と倦怠。
北町奉行所同心見習いの長谷啓之進に従っていた岡っ引の仙蔵が突然姿を消す。同じ長屋のおくまは「十日前に色白で綺麗な女が訪ねてきた」と言い、二人は不釣合だったと笑った。元巾着切りの仙蔵とその女は一体どんな仲なのか?隣に住む青柳新八郎は心配で行方を追っていく。すると、ちょうど用心棒を請け負っている買取り屋の大おかみと仙蔵とが思いもよらぬ糸で繋がっていた!
尼崎藩の元江戸家老、塩谷隼人もついに隠居。長屋の大家としての第二の人生が始まった。美貌の書道家弥生も新たに店子に加わり、穏やかな日常が続くかと思われた。そんなある日、長屋出入りの魚屋の太助が、棒手振りの同業者から逆恨みで襲われる光景に、隼人は出会す。天秤棒を振り回し、見事追い払う太助であったが、隼人は苦言を呈する。「生兵法は怪我の元と申すは、おぬしのことぞ」
防衛省情報官・伊吹司が護衛するアメリカの要人が襲撃された。しかし戦闘のプロを相手に司は手も足も出ない。そんな司をあざ笑うかのように、今度は日本の高官が暗殺されてしまう。誰が何のために殺しているのか混乱する司だったが、同日、特務機関ラバーズへの招集がかかる。生存率60%と言われるラバーズの日々が、また始まった。ド派手アクション満載の三カ月連続刊行第二弾!
突然、寄場詰同心の役を解かれた南町奉行所の帰山貴三郎。小りんという謎の女に連れて行かれたのは、南町奉行の根岸鎮衛配下の与力の元だった。犯科の増大を憂えた奉行は、隠密裡に探索し撲滅せよとの「特命」をくだす。帰山は元門前廻り同心の深草新吾とともに抜擢されたのだ。ある老婆の死に不審を感じて調べ始めると、つましい暮らしなのに、どこかに毎月一両もの大金を送金していた。書下し時代活劇。
夫の浮気で離婚し、娘の小織とともに名古屋へと転居して無気力な日々を送る藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに才能を見出された娘を支えることに、生きがいを感じ始める。クラブ内の異様な慣習、元夫からの養育費の途絶、練習方針を巡るコーチとの軋轢ーフィギュアにのめりこむ梨津子の思いに、小織は戸惑いながらも成績を上げていき…。新境地に挑んだ著者渾身の一作、待望の文庫化!
コーチの美涛先生が日本を離れることを知った梨津子は、小織の可能性をさらに引き出してくれる指導者を求めてクラブを移ったが、指導方針の違いに戸惑いを隠せない。そんな中、怪我のため、小織がトリプルジャンプも跳べなくなってしまう。元夫からの養育費の支払いも再開せず、経済的に追いこまれるも、フィギュアスケートにすべてを懸ける梨津子。葛藤を乗り越えていく母と娘の絆に、感涙必至の力作長編。
天領の豊後日田で、私塾・咸宜園を主宰する広瀬淡窓と、家業を継いだ弟・久兵衛。画期的な教育方針を打ち出す淡窓へも、商人としてひたむきに生きる久兵衛へも、お上の執拗な嫌がらせが続く。大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の大きなうねりの中で、権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟。理不尽なことが身に降りかかろうとも、諦めず、凛として生きることの大切さを切々と訴えた歴史長編。
野鳥の死骸が発見され、鳥インフルエンザが疑われるも結果は陰性。それにもかかわらず、公園は突然、封鎖されてしまったー感染症と戦い、国内への侵入を水際で食い止める「検疫官」。手段を選ばず任務を遂行する破天荒な女性検疫官・西條亜矢が、次々と日本に襲いくるマラリア、狂犬病、新型インフルエンザ等、感染症の脅威に立ち向かう。国・自治体の危機管理システムや医療業界に警鐘を鳴らす、医療サスペンス小説。
紺屋の女将・紫屋環は、三ケ月前に亭主が殺された事件の真相を知るべく、大店の東雲屋を探っていた。環は、同じく東雲屋ゆかりの者に恨みを持つ女たちと出会い、四人で協力して東雲屋に挑むことに。しかし、それぞれの愛憎や思惑、環に惚れる同心、藍の産地である阿波藩のお家騒動なども絡み、事件は意外な様相を呈していく…。二転三転する展開と謎。気鋭が描く、痛快さと人情味に溢れた長編時代小説。
史上最速の剣、ここに誕生!-闇討ちにあった父の仇討ちを果たすべく、身体の小さな林崎甚助は、その不利を覆すために「居合」という新しい剣の技を編み出す。仇・坂上主膳を追い、都へ向かった甚助だったが、主膳は京を牛耳りつつある松永久秀の家臣となっていた。奸智に長けた久秀をも相手にせねばならなくなった甚助の仇討ちは、成就するのか。傑作剣豪エンタテインメント小説。