2014年12月8日発売
樋口毅宏2年半ぶり待望の長編小説! 上司の妻を寝取ってやる!! 大手文具メーカー「あねちけ」に勤めるうだつの上がらないサラリーマン・富岡兼吾は、普段から自分に厳しい昭和の体育会系上司・下永良一に不満を持っていた。 ある日、酒に酔った下永を家まで送ることになった兼吾は、下永の妻・秀子と出会う。そのとき、兼吾の心に復讐のためのある企みが芽生えたのだったーー。 過激で大胆な性描写と、繊細な心理描写で「週刊ポスト」連載時より大きな反響を呼んだ長編小説がついに単行本化。
夫の浮気がきっかけで、専業主婦から金欠バツイチになった49歳のミナミ。ある日ミナミは、おしかくさまという“お金の神様”を信じる女たちと出会う。ATMのお社にお参りし、「無紋のおふだ」を財布に入れて、小金を増やす女たち。やがてミナミは、教祖に会うべく、上野動物園に向かうが!?現代日本のお金信仰を問う文藝賞受賞作。
脱線、飛躍、妄想、停滞、誤読、のろのろと、そしてぐずぐずとー決めたことは「なかなか読み出さない」「できるだけ長い間読み続ける」のふたつ。横光利一の名作短編「機械」を11年かけて読んでみた。読書の楽しみはこんな端っこのところにある。本を愛する全ての人に捧げる第21回伊藤整文学賞評論部門受賞作の名作。
金色の小鳥が舞い、夏芙蓉の花が咲き乱れる紀州・新宮の路地。歌舞音曲に現を抜かし若死にするという七代にわたり仏の因果を背負った、淫蕩の血に澱む一統・中本。「闘いの性」に生まれついた極道タイチの短く苛烈な生涯が、老産婆オリュウノオバ、アル中のトモノオジにより幻惑的に語られる。人間の生と死、その罪と罰を問うた崇高な世界文学。
はたちになろうとしていた、あの頃…兵役あがりのルイと歌手志望のオディールは、パリのサン・ラザール駅で出会い、恋に落ちた。そして十代最後の日々を、ふたりは、夢を追いながらも「大人の事情」に転がされていったー。パリから遠く離れて、いまや山荘で幸せな家庭を築くふたりの過去には、はたして何があったのか?ゴンクール賞に輝いた『暗いブティック通り』につづく、受賞後第一作。醇乎たるパッションが胸を打ち、香り立つフェティシズムが読者の記憶をもよびさます、新ノーベル文学賞作家による青春小説!モーシェ・ミズラヒ監督による同名映画の原作。