2014年9月1日発売
三國電産北米事業部長の唐木栄太郎は取締役の椅子も目前。妻と名門私立中を目指す息子と家族三人で、都内の自宅で絶好調の年末を迎えていた。そんなある日、秋田で独居する老母が雪かき中に骨折したと電話が入る。その時は、まさかそれが、奈落への号砲とは知る由もなかった…。平穏な日々を崩壊させる“今そこにある危機”を、真正面から突きつける問題作、遂に文庫化!
鉄道模型を販売していた男が東京で殺害された。鉄道マニアの犯行と判断され、「SLやまぐち号」最後の運行を見に現われると踏んだ十津川は山口へ飛んだ。だが犯人の姿はなく、新たに女性の他殺体が発見される。被害者のバッグには「やまぐち号」の模型があった。これは第二の犯行か?やがて鎌倉、京都と相次いだ殺人現場からも鉄道模型が!?犯人からの挑戦状なのか!
「こ、こ、これ一応誘拐だから」中学生の美希は部活帰りに突然車に連れ込まれた。犯人は西小原さん。若くして美希を生んだ母の恋人だ。痴話げんかの腹いせらしい。呆れた美希はいつも自由奔放な母を心配させるため、動揺する西小原さんをドライブへ誘い出し…(「西小原さんの誘拐計画」より)。好きなのにうまく言えない!?不器用な恋愛初心者たちを描く八つの心温まる物語。
“原発ゼロ”を日本政府が表明したことから、パク・ギムル国連事務総長は、高速増殖炉“もんじゅ”貯蔵のプルトニウムの国連管理を提唱し、常任理事会はこれを承認した。日本の核平和利用という神話は崩壊し、突然、潜在的核武装大国とされたのだ!同じ頃、航空自衛隊のF15イーグルが戦闘訓練中のミサイル誤射により行方不明に。事故か、武装日本への牽制かー国際謀略巨編!書下ろし。
心臓外科医・佐藤基樹が失踪した。自らがドナーになると約束した、肝臓移植手術を控える息子を残して。元刑事の鹿川奈月は佐藤の元恋人から捜索を頼まれる。徐々に明らかになる医師の孤独な私生活。さらに彼の故郷を訪ねると、かつてそこに暮らした「佐藤」はまったくの別人だった。“佐藤”とはいったい何者か?なぜ逃げるのか?やがて奈月が突きとめた驚愕の真実とは。医療ミステリー界の名手が描くノンストップ・サスペンス!
「一度出た“赤玉”は取り戻せるのか」三十九歳で性的不能に陥った伊原は、回復を求め、神々の地伊勢から神津島へ、恋人たちとの淫らな旅に出る。やがて、“導く女”香織、幼なじみのスミと愛を交わすうち、ついに富士山こそが赤玉の謎を解く鍵と知った!はたして伊原の真の使命とは?歓喜と絶頂の果てに見えた性愛の深淵は…。愛のアドベンチャーロマン、いよいよ大団円!
天下の往来で破落戸と行き違った栄三郎は、その顔に見覚えがあった。前夜、行きつけの居酒屋“そめじ”の女将・お染と話していた男だった。“取次屋”の勘であとをつけると、向かった先にはお染が。不審を覚えた栄三は“お節介”を始めるが…。やがてお染の過去と迫る危機を知った時、栄三が下す決断とは?一筋縄ではいかぬ浮世の闇に、栄三の優しさが灯をともす!時代小説書下ろし。
島原の乱の生き残りで、天草四郎から力を継いだ“聖騎士”の寅太郎たち。四郎復活を目指す彼らは“聖遺物”を幕府から取り戻そうと江戸に潜入した。一方、切支丹壊滅を目論む幕府の黒幕天海は、奪った聖遺物を使い戦国最強の武将立花宗茂を甦らせた!さらに将軍家光配下“閻羅衆”も暗躍し…。魅力溢れる異能たちが聖遺物を巡り死闘を繰り広げる、痛快時代小説。
日々堂で代書をする戸田龍之介は、剣術仲間の三崎小弥太を案じていた。家格と美貌に負けて、好きな男がいる桜木登和と祝言を挙げて以来、道場に来ないのだ。そんな中、友七親分の女房・お文から、日々堂の宰領・正蔵とおはま夫婦の娘・おちょうに大店の若旦那との縁談が持ち込まれるが…。泣き暮れる日があろうとも、笑える明日があればいい。人気沸騰シリーズの第七弾!
廻国修行の気まぐれに「泰平山末法院」の看板をあげ、向島小梅村の荒れ寺に住みついた破戒僧不覚。ものぐさ、出不精、食い意地張りでおんな好き。六尺を超える巨躯に岩の鎧のような筋肉をまとう、宝蔵院流十文字槍の手練れである。かわら版売りの佐一が持ち込むうまい話にのせられ、欲をかいては災厄に見舞われるがー人の世の情に仇なす悪を断つ痛快時代小説!