2015年2月12日発売
入居者向け娯楽活動の不毛さに音を上げた高級老人ホーム“海の上のカムデン”の面々は状況の改善に乗り出し、スペイン語講座、さらにはメキシコへのバス旅行が実現のはこびとなる。アンジェラとキャレドニア以下参加者一行11人は、添乗員つきツアーをおおむね楽しんでいた…新入りの老婦人が、突然の死に見舞われるまでは。老人探偵団が異国の地で大騒ぎする、シリーズ第八弾。
取材で黒い森を訪れた編集者のハンナは、トレッキングの最中に女性の死体を発見してしまう。被害者は10年前に村を出て帰郷したばかりの妊婦だったが、胎児が消えていた。村に伝わる“鴉谷”の不吉な言い伝えや、過去の嬰児失踪事件と関わりが?堅物の刑事と敏腕女性編集者が、閉ざされた村での連続殺人を解き明かす。ドイツ推理作家協会賞新人賞受賞の清冽なデビュー作!
パラディスで学ぶためにやってきた青年ラウーランが下宿したのは、凋落した貴族デュスカレ家の屋敷。老婆と馬丁しかいないはずのその屋敷で、ラウーランは美しい娘の幽霊を見る。若くしてこの家に稼ぎ、葬られた娘が語る、呪われたデュスカレ家の物語。遥かローマ時代に遡る悲劇の萌芽。退廃と背徳の都パラディスに潜む恐るべき影。闇の女王が織りなす、奇怪で蠱惑的な幻想譚。
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!
上州倉賀野に騒擾あり!荒天続きの凄まじい雨の中、不気味に膨らむ神憑き一行はついに宿場を襲い出す。その陰には一行を操る稀代の女悪党の姿が。もはや川堤は決壊寸前、このままでは公領水没も時間の問題ー漫遊、否探索中の隠密廻・八巻卯之吉が捻り出した、神頼みならぬカネ頼みの仰天対抗策とは。シリーズ屈指の壮大なスケールで描く文句なしの傑作第十六弾!
本所南割下水に住まう御家人、三日日左門の屋敷の近所に元旗本の青砥家の兄妹が越してきた。父の不祥事により、禄を減らされお役を取り上げられた二人はお家の再興を願うが、妹の智与の美貌に目をつけた無法の集団が蠢きだすー。紛うことなきサンピンなれど、頭も腕も天下一品。気が向かなければ動かぬが、ひとたび動けば華麗に蹴飛ばす、圧巻の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、注目の新シリーズ!
揚羽座に格上の花村座の花形役者、春牡丹寒次郎が訪ねてくる。曰くつきの芝居『情女濡色鐘』再演直前に脅し文が届き、座員が次々と怪死を遂げているというのだ。花村座の危機を救ってほしいと懇願する寒次郎に、恋之介は「酒と豪華弁当と広い楽屋」の破格の条件を呑ませ、魔の桧舞台に上がることに。弟子の“鬼がらす”堅四郎は剛剣で師を守り抜けるか。ドラマ『猫侍』で注目の黒木久勝が放つ痛快新シリーズ第二弾!
天狗の面をつけて材木問屋に入った押込み一味は、千両箱の中から一部の小判と蔵王権現像を持ち去った。門扉は閉じられており、まさに烏天狗のように宙を飛ばなくては像は運び出せないと、すぐに江戸中の評判となった。ひょんなことからこの一件にかかわった村越壮志郎は、その謎に挑むのだったが…書き下ろし時代小説、痛快シリーズ第二弾!!