2015年3月5日発売
植物写真家の猫田夏海は、撮影中の不慮の怪我のため、高知の港町、白崇教と呼ばれる宗教施設に滞在することに。その教団は、“タイガ”と呼ばれるアルビノの鮫を崇めていた。ある夜、密室状態の本殿で、教主が刺殺される事件が起こり、その翌晩、教主の息子の切断遺体が、海で発見される…!“観察者”にして生物探偵の鳶山は、猫田とともに調査を始めた。連続殺人事件の陰に潜む、神の秘密と、教団の真の姿とは!?博覧強記の観察者が闇を照らす。驚異の本格“生物”ミステリ。
半島を形づくる三国の均衡は、もろくも崩れ去るーソニンとイウォル王子が暮らす“沙維”では王が倒れ、北の強国“巨山”の王は半島征服を狙い、南の楽園“江南”では、第二王子・クワンの排斥が企てられていた。各国間の緊張が高まるなか、巨山王の一人娘・イェラが、突然“沙維”を訪問する。彼女の狙いとはー?一方、夢見の力を失ったソニンは、裏切り者の巫女・レンヒが遺した手帳を葬るために、かつて暮らした“天山”に向かう。少女ソニンと平和を願う次代の王たちの物語、ついに完結!
ひとりの少女との出会いから、全ては始まったー。誰にも心を開かず、部屋で絵ばかり描いている女の子。絵の中の魚が白いのは「おぼれて、死んだの。あした」だから。明日の出来事が見える。他人の心の声が聞こえる。虫を呼び寄せる…。不思議な能力が彼らと周囲を切り裂く。小さく弱い、選ばれし者たち。でも、一つになればきっと強くなる。
エイプリルフールー1年で唯一嘘が許される日。そんな日に巻き起こる事件の数々。さまざまな人間模様がからみ、つながり、そして小さな「嘘」が奇跡を起こす!今最も注目されている脚本家・古沢良太のオリジナル脚本を、人気作家・山本幸久が小説化!
不穏な噂がつきまとう謎の老婆、母親殺しの疑いをかけられた娘、雪だるまの中から発見された男の死体ー。江戸の町に次から次へと湧き起こる難事件に半七の推理が冴え渡る。探偵小説の元祖『半七捕物帳』が、リミックス版として現代に蘇る!『石燈籠』他、傑作五作品を収録。現代的な表記、意訳、解釈を織り交ぜ、新たに編集した文庫版。
大事に扱われてきた着物には、持ち主の情念が宿る…。江戸日本橋の古着屋の看板娘・お紺のもとには、持つと怪異に見舞われるという「わけありの着物」が持ち込まれる。謎の解決に乗り出すお紺には、着物に潜む想いを断片的に視る能力があった。すれ違ってしまう人と人の想い、情。それらをほぐした時、お紺の目に映るものは…?文庫書き下ろし。
五代将軍綱吉公が世を去って一年ー。生類憐みの令が撤廃された江戸の町を、純白の紀州犬とともに駆け抜ける若き同心の姿があった。心優しく、正義感溢れ、人の善を信じて疑わない犬飼研吾と忠実な愛犬・お蘭。父の死の謎を追う研吾らの前に立ちはだかる事件の数々…。研吾は人の心の闇にどう挑むのか!!文庫書き下ろし痛快時代小説。