2015年5月発売
“八門遁甲”を操り、北伐を始める諸葛孔明に対し、魏国が起死回生の策として呼び寄せたのは、“鬼道”を使う邪馬台国の女王・卑弥呼だった。木牛・流馬など、稀代の軍師・孔明によって繰り出される奇策に苦しめられる卑弥呼。そして、孔明が倭国へ向かったとの報せが…。孔明の北伐の挫折と卑弥呼が歴史から消えた謎に迫った、三国志と魏志倭人伝の世界が交錯する歴史エンターテインメント小説。
外国人大関・荒把米は、独自の稽古で鍛え上げた強靱な身体で、土俵上に旋風を巻き起こしていた。しかし横綱昇進が確実視される中、格下相手にまさかの連敗。先場所からの不可解な取組結果に、支度部屋が関係していると気づいた大関は、本場所中にもかかわらず失踪する。やがてマスコミの前に現れた大関は“事実”を明らかにするが、何者かに狙撃されー。角界の闇に迫る衝撃のミステリー。
かつてない好景気に沸き続ける、昭和六十年代の札幌・ススキノ。坪一千万円まで高騰した土地をめぐり手段を選ばない地上げ集団と、それに嘲弄される住人たち。日経平均株価が史上最高を更新し続ける陰で、人生の歯車が狂い始めた証券会社の支店長と企業舎弟の男の運命。達意の筆致と抜群のディテール。キャバレー“ニュータイガー”の敏腕黒服・黒頭悠介が出逢う、五つの夜の物語。
とびきり善人だが、刑事としての才能はほぼ皆無なウィザースプーン警部補。事件のたび困りはてる主人を放っておけない“名探偵”の家政婦ジェフリーズ夫人をはじめ、彼を慕う屋敷の使用人一同は、秘かに探偵団を結成する。今回警部補が担当するのは、毒キノコによるらしき殺人事件。探偵団は先回りして解決し、主人の手柄にできるのか?痛快ヴィクトリア朝ミステリ新シリーズ。
ジャズは高校三年生。町ではちょっとした有名人だ。ある日、指を切りとられた女性の死体が発見され、ジャズは連続殺人だと保安官に訴える。なぜジャズには確信があったのかー彼が連続殺人犯の息子で、父から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだ。親友を大切にし恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自ら犯人を捕えようとする。全米で評判の青春ミステリ。
殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ、いったい何を語る?美形の警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。愛するぬいぐるみから優れた洞察力で、手がかりを発見する。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史、ミステリおたくの江角や若手の桂島など、個性派刑事が脇を固める、“ぬいぐるみ警部”シリーズ連作集第一弾。ファン待望の文庫化。
大恐慌時代のハリウッド。エキストラの仕事にあぶれ、食いつめた若い男女が、千ドルの賞金と最後のチャンスを求めてマラソン・ダンス大会に参加する。最後の一組が残るまでひたすら踊り続ける過酷な競技の果てに二人を待っていたのは…。競技中に発生するさまざまな人間ドラマ、若者たちの希望と絶望を巧みな構成で描いた傑作。
官能的な寓話「薔薇とハナムグリ」、眠り続けるモグラの怪物の夢に操られる島民の混乱を描く「夢に生きる島」。ほかに「ワニ」「疫病」「蛸の言い分」など、シュールで風刺のきいた世界が堪能できる20世紀を代表する作家モラヴィアの傑作短篇15作。「読まねば恥辱」級の面白さ!
武田家の若き忍び・市勘は、軍師・山本勘助に育てられ、武田信玄にも重用されていた。二俣城攻めで戦功を上げるも、重傷を負い気を失う間に、運命のおなご・里々がさらわれてしまう。人身売買に手を染める商人に売られた里々を救い出すため、自らも奴隷として買われた市勘。果たして奴隷商人の手から脱出できるか!?期待の新人時代作家が壮大なスケールで描く時代冒険譚!
“今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし”紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。だがそれは、呪われた一族に襲い来る悲劇の序章に過ぎなかった…。教祖を大伯父に持つ旧友の鬼気迫る依頼で、教団本部に出向いた松下研三だったが、ついに神津恭介に救援を求めた。名探偵は、恐るべき凶事の連鎖を止めることができるのか!?
新宿署に異動直後、上司となる桃井と鮫島との出会い。飛び降り自殺を図ろうとした少年と関わる晶。鮫島の宿敵・仙田、鑑識官の藪…。シリーズに登場する個性的な人物たちの意外なエピソードから、人気コミックの主人公である両津勘吉や冴羽〓(りょう)との共演まで。孤高の刑事・鮫島の知られざる一面が垣間見える短編が勢揃い。「新宿鮫」にしかない魅力が凝縮された全10作品。
夫をひき逃げで失った浅井久子。夫の命日に事故現場を訪れた彼女の前に現れたのは、交通事故がきっかけで殺された内海政子の幽霊だった。奇妙な幽霊との同居が始まり、次第にわかってきた政子の過去。久子は政子が気になっている娘探しを始めるが、2人の奇妙な接点から事件の真相が明らかに!サスペンスの名手が挑んだ社会派ミステリーの傑作が待望の文庫化。
安曇野のコンビニで無銭飲食をし捕まった男・左東。供述した名前も住所も、すべて嘘だった。安曇野署はあえて左東を泳がせたが、彼が入り込んだ空き家が放火される。しかも放火犯として捕まった女・及川もまた身元が分からない。二人に共通する東北訛りに気づいた刑事・道原伝吉は、岩手県の平泉から早池峰山へと向かう。二人の間に隠された秘密に迫ることが出来るのか!?
警視庁行動科学課は、不審死や迷宮入りした事件、事故などを科学的に解明すべく設けられた部署である。FBIで捜査の訓練を受けた上條麗子刑事は、犯人像作成のプロフェッショナル。日本で初めてME(メディカル・イグザミナー)の資格を取った一柳清香特別検屍官は、司法解剖で死体の異状を見つけ犯罪を推理する。下町を舞台に、幼なじみコンビが難事件を解決!
弟が、自分の元彼女と結婚!?(「墓前式」)姉の結婚式の真っ最中に、昔の男現る!?(「ビーチウェディング」)父親が、再婚直前に浮気!?(「結婚記念写真」)-人生最大のイベント、結婚を機に発生した、思いがけぬ「家族」の問題。さあ、どうする?関係に悩み、互いに衝突しつつも、問題を乗り越えて新しい絆を結んでいく男女の群像を描く。ほろ苦くも温かい、幸せを結ぶ珠玉の短編集。
二十歳の繭村甲斐子は、大きな瞳と高い鼻、豊かな乳房とくびれたウエストを持つ女性だった。だが、彼女は名医・大曾根に懇願し、全身整形をする。一方、同郷の望月阿倍子も、社会人となった新生活を機に整形。その姿は甲斐子そっくりになった。正反対の考えのもと、整形をした二人の、整形後の運命はいかにー。美しさとは?幸福とは?根源を問う衝撃作。
本好きの間では、骨董的価値の高い本を古書、そうでないセコハンのものを古本と呼び分けたりもしますが、本書では個人蔵書、貸本等も含め、新刊書店で売られている以外の書籍を“古書”と称しました。ひとたび指紋のついた本には、往々にドラマがつきまとい、ミステリアスな雰囲気を醸します。そんな謎に充ちた傑作ばかりを収めた好評の推理アンソロジー第三集!
駿河国汐崎藩の御刀蔵から妖刀村正が盗まれた。徳川家に仇なす刀ゆえ、所持が公儀に知れれば汐崎藩の取潰しは必至。藩主から命を受けた御刀番・左京之介は村正の行方を追うが、その前に不審な忍びが立ちはだかる。そして、忍びの背後にはとてつもない敵が潜んでいた。京之介の孤独な闘いが始まる。そして、衝撃の結末とは…。著者渾身の壮大な新シリーズ開始。